高倉健さんの訃報に野球界からも悼む声が相次いだ。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(78)は「男としてのあるべき姿」と惜しみ、楽天の星野仙一シニアアドバイザー(67)はその謙虚さをしのんだ。

 長嶋氏は20代のころからお互いにファンとして知り合い、その後は家族ぐるみの付き合いもあった。

 「突然の訃報に驚くと同時に、とても寂しい気持ちにとらわれています。高倉さんとは20代のころに知り合い、試合前に2人でよくお茶を飲んだり、食事をしたりしました。長男の一茂の結婚式に出席してくれたこともありました。どれも素晴らしい思い出です」と振り返る。

 一方で、スクリーンの内外両方に「男としての理想像」を見ている。

 「ファンの多くは映画の中の高倉さんを見て、日本人の男としてのあるべき姿を学んだのではないでしょうか。私も高倉さんから教わることが数多くありました。本当に残念です。心からご冥福をお祈り申し上げます」と結んだ。

 星野氏は92年の米映画「ミスター・ベースボール」で高倉さんが「中日ドラゴンズの監督」にふんしたときに、アドバイザーとして接してからの付き合い。

 「高倉健さんは私の大学の先輩で『ミスター・ベースボール』の撮影の際に来られて、ユニホームの着こなしなどのアドバイスを聞きにいらっしゃいました。どちらが先輩か分からないくらい恐縮されていたのを覚えています。私の女房が亡くなった時もいろいろしてくれて、毎年、命日にはお線香を送ってくれました。本当に優しく、格好良く、先輩とお付き合いさせていただいたことを誇りに思います。ご冥福をお祈りします」とコメントした。