覚せい剤取締法違反などで有罪が確定した歌手ASKA(本名・宮崎重明=56)の知人で、同法違反(使用)の罪に問われた栩内(とちない)香澄美被告(37)の論告求刑公判が11日、東京地裁で開かれ、検察側は懲役2年を求刑した。

 栩内被告は一貫して無罪を主張しているが、検察側は<1>毛髪から覚せい剤が検出されたことからも複数回使用が認められ、覚せい剤に対する親和性が認められる<2>不合理な弁解に終始し罪を免れようとしており、反省の態度は皆無<3>一般予防の見地からも厳しい処罰が必要、などと指摘した。

 また、ASKAとの男女関係を知り、彼の違法薬物使用を疑う知人から「香澄美もやっているんでしょう」とたずねられた際、栩内被告は「他の女に行かれたら意味がない」とASKAとの交際を続けるため、違法薬物使用を認めるかのような趣旨の回答をしたことも明らかにした。

 栩内被告は第3次毛髪鑑定を強く希望。前回公判までは茶色に染めた髪の毛の根元が黒くなっていた。一方、この日は胸元近くまで伸びた髪を約10センチ切り、根元から茶色に染め直していた。この日は一般傍聴23席に対し、246人が並んだ。弁護側の最終弁論は17日午前11時半から行われる。