NHKが25日、紅白歌合戦の出場者発表をめぐる混乱ぶりを露呈した。東京・渋谷区の同局で曲目と曲順発表会見を開催。企画枠での登場が伝えられていたサザンオールスターズと中森明菜(49)の出演について、担当チーフ・プロデューサー(CP)は「ない」と断言しながら、約1時間後に「今の時点では」と訂正して取材陣に謝罪した。

 取材陣もあきれるほどのNHKのドタバタぶりだった。会見では、CPが曲順と曲目について説明した。この場で発表されなかった企画枠での出演の有無について問われると、「ありません。ここまでで精いっぱい」。続けて、報じられてきたサザン、明菜が出演する可能性を問われても、「出ない」。他のアーティストによるサプライズ出演についても否定した。

 ところが、約1時間後、NHK広報局員が取材陣の前に姿を見せ、「前言撤回」を始めた。「誤解を招きかねない言い方をしました」と前置きし、企画枠などの出演者がいないとしたことについて「現時点では」と言い換えた。この時点で「明菜、サザン出演なし」はネット速報されており、取材陣は「ちゃんと説明すべき」とNHK側を追及。応じてさらに1時間後、CPの上司にあたる部長が訂正と謝罪を始めた。

 「交渉している人が現段階でもあります。今後、どうなるか分からないのが正確な状況。全く誰にもオファーをしてないということではないです」「大変、申し訳ありませんでした。訂正させていただきます」

 CPの発言については「言葉の使い方を間違えたと思う。責任者としておわびしたい」とした。

 一方で、明菜が出演する可能性を示唆した。10年から体調不良で活動を停止している明菜については、関係者が「オファーされても生出演は難しい」と話す中、録画での出演が模索されてきた。その現実を念頭にした質問に、部長は「以前は紅白は生放送が原則だったが、絶対録画がないのかを含めて議論している。いろんなバリエーションを考えたい」と、含みを残した。

 その状況下、ある関係者は「一両日中に明菜の録画出演が発表される」と証言。サザンについても、複数の関係者が「企画枠での出演は間違いない」と話している。CPの発言をわざわざ訂正した混乱ぶりからも、両アーティストの出演が現実味を帯びてきた。