黒沢明監督の名作「七人の侍」(54年)が初めてミュージカル化される。別所哲也(49)主演の「SAMURAI7」(演出・上島雪夫)で、明日17日から25日まで、東京・天王洲銀河劇場で上演される。

 ベースとなっているのは、オリジナル作品の50周年を記念して04年にNHKで放送されたアニメ作品だ。黒沢作品を無国籍風に置き換え、米国、ロシア、フランス、ドイツ、中国など世界各国でも放送。別所は「日本の巨匠の作品と日本が誇るアニメの組み合わせ。世界に出られるような作品に育てたい」と話した。

 衣装はアニメに近い無国籍風だが、野武士の収奪におびえる村を7人の侍が救う筋立てはオリジナル作品により近い。「米のありがたさ、地に足を着けた農民たち、侍たちの戦いを通して描く命のやりとり。今につながる普遍的なテーマを感じています。土臭いドラマにアクション、歌は和風テーストでマッチしていると思います」と別所は言う。

 別所ふんするカンべエはオリジナル版では志村喬が演じた7人のリーダー役。矢崎広(27)入来茉里(24)らミュージカル作品の常連が脇を固めている。