作家の百田尚樹氏が、NHKの経営委員を任期満了の2月末をもって退任する意向を示していることが1月31日、関係者の話で分かった。自身のツイッターでも同日「先日、NHK経営委員の新年会で、任期終了で経営委員を辞めることを言った」と明らかにした。

 百田氏は任期中に政治的な問題発言を繰り返し、経営委員としての資質を問う声が上がっていた。百田氏は2013年11月に、前任者の任期を引き継ぐ形で経営委員に就任した。14年2月に東京都知事選の応援演説で「南京大虐殺はなかった」、6月に静岡市の講演会で「日教組は日本のがん」などと発言。9月には、短文投稿サイト「ツイッター」で、死去した土井たか子元社民党党首を「売国奴」などと批判し、社民党から経営委員の辞任を求められた。

 政府は、百田氏を含め任期満了を迎える経営委員4人の人事案を2月中に国会に提出し、衆参両院の同意を得て首相が任命する。