ハリウッド映画「Emperor(原題)」のヒロイン役に、日本人女優の初音映莉子(29)が抜てきされたことが15日、分かった。米人気ドラマ「LOST」で知られる主演マシュー・フォックス(45)の相手役を演じる。

 女優歴13年目も、日本では無名だった初音。世界のハリウッドで、ヒロインデビューするというシンデレラのようなサクセスストーリーの陰には、心強い支援者がいた。

 同映画のプロデューサーに名前を連ねるのは演出家の奈良橋陽子氏(64)と息子で俳優の野村祐人(39)。映画「ラストサムライ」で渡辺謙(52)を、「バベル」では菊地凛子(31)をハリウッドへ紹介した奈良橋氏が、初音を見初めて、今回のオーディションを受けさせていた。奈良橋氏は「日本から送り出せる新しいスター。豊かな感性で繊細。心の真実からの演技をするすてきな女優です」と、“第2の菊地凛子”になると太鼓判を押した。

 今作は、太平洋戦争直後の日本が舞台で、昭和天皇の戦争責任を判断する主人公とGHQマッカーサー元帥が、物語の軸となる。主人公の恋人の日本人留学生Ayaを、初音が演じる。既に1月からニュージーランドの撮影現場に入っており、初音は「共演者やスタッフの方々にいっぱい愛され愛して、心を広く、すくすくのびのびと演じています。こんな感動的な出会いが人生のひと時に起こっていることに心から感謝をしながら、Ayaが生きた時代の日本人のたくましさや心(しん)の強さに感銘を受けている最中です」とコメントした。

 マッカーサーを演じるのはオスカー俳優トミー・リー・ジョーンズ(65)。そんな名優らがそろう撮影現場だが、ピーター・ウェバー監督も「初音は、私が監督してきたキャリアの中でも、スカーレット・ヨハンソン以来の美しく、輝かしい女優だ。撮影するたびに私をエキサイティングにさせてくれている」と絶賛した。

 ◆初音映莉子(はつね・えりこ)1982年(昭57)3月24日、東京生まれ。98年にCMタレントとしてデビューし、99年ドラマ「ラビリンス」で女優デビュー。NHK朝の連続テレビ小説「純情きらり」「おひさま」や10年映画「ノルウェイの森」などに出演。170センチ。血液型A。