女優広末涼子(32)とSMAP稲垣吾郎(38)が夫婦を演じ、「桜、ふたたびの加奈子」(栗村実監督、来年4月6日公開)で映画初共演することが9日、分かった。製作側は海外映画祭での上映を視野に入れており、広末と稲垣は「夫婦」で世界を目指す。

 「桜、-」は、新津きよみ氏の小説が原作。幼い娘加奈子を亡くし、生まれ変わりに会いたいと願う妻を広末が、現実に目を向けてほしいと思う夫を稲垣が演じる。2人は、2009年(平21)に新津氏が原作のフジテレビ系ドラマ「トライアングル」で共演しており、同じ新津氏の作品で映画初共演を果たす。

 関係者によると、今年4月、栃木県足利市や都内で撮影を終えており、満開の桜の中で行われた撮影を思い出しながら、2人は作品への思いを語った。

 広末

 苦しいこと悲しいことがあっても生きていく力、命の力、そしてそれが導く奇跡を形にした映画だと思います。たくさんの方に勇気をあたえられる映画になれば。

 稲垣

 命の大切さ、そして生きる喜び、悲しみを受け止め演技することができました。奇跡を信じることは無駄ではない、そんな思いを込めたすてきな作品になっています。

 製作側は海外映画祭での上映を視野に入れ、「日本の美」を意識しながら、現在は編集段階に入っているが、これまでも広末、稲垣、栗村監督の3人は、そろって海外映画祭に縁があった。広末は、09年に米アカデミー賞外国語映画賞を受賞した「おくりびと」で、授賞式のステージに立った。稲垣は、悪役で話題になった「十三人の刺客」(10年)が、スペインやオランダなどの映画祭で高い評価を得た。栗村監督は昨年の長編デビュー作「飯と乙女」が、モスクワ映画祭で最優秀アジア映画賞を受賞し、ベルリン映画祭でも上映されている。世界にアピールするには、これも好材料だ。

 同映画には、ほかに福田麻由子、高田翔、江波杏子らが出演する。

 ◆桜、ふたたびの加奈子

 容子(広末)は幼い娘の加奈子を事故で亡くしてしまう。自分を責める容子は、見えない加奈子の食事を作り、話しかけるようになる。夫信樹(稲垣)は、妻を支えたいと思いながらもいら立ちを募らせる。ある日、容子は、出産を決意した女子高生の正美(福田)に出会う。正美を見て、容子は、加奈子が生まれ変わって帰ってくるのだと直感する。