72年に放送された人気アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」が初めて実写映画化されることが11日、分かった。13年夏に公開される。映画「ガッチャマン」の主人公大鷲の健は、松坂桃李(23)が演じる。ほかコンドルのジョーを綾野剛(30)、白鳥(しらとり)のジュンを剛力彩芽(20)、燕(つばくろ)の甚平を浜田龍臣(12)、みみずくの竜を鈴木亮平(29)が演じる。いずれも次代を背負うスターへの成長を期待される新鮮な俳優陣がそろった。実写映画「カイジ」シリーズの佐藤東弥監督がメガホンをとる。

 映画界にとっては長年の夢がかなう映画化だ。00年にSMAPが出演したNTT東日本のCMで実写映像化されたことがあるなど、少年時代にガッチャマンに影響を受けた多くのプロデューサーや映画監督が映画化を企画した。個性的なキャラクターをそろえる難しさや、映像表現の難しさなどもあり、映画化はなかなか実現しなかった。日活が07年に「ヤッターマン」とともに映画化すると発表したが、空を飛ぶアクションやメカを表現する技術面の成熟を待ち、最新のVFX(視覚効果)技術が整ったこともあってようやく実現した。今回の作品は、日活100周年とアニメの制作元タツノコプロ50周年記念作。日活の田中正プロデューサーは「今なら挑戦できる」と自信をのぞかせた。

 舞台を20XX年の東京に移し、人は何のために生きるか、正義とは何かを問うヒューマンドラマ。コスチュームやガッチャマン5人の性格、敵組織ギャラクターはオリジナルを踏襲しながら現代的アレンジも加える。

 撮影は15日に開始し、12月下旬に終了予定。松坂は「身震いするぐらい楽しみ。まったく新しいヒーロー像をつくりたい」。剛力は「ずっとやりたかったアクションに初挑戦できるので楽しみ」と話している。

 ◆「ガッチャマン」とは

 謎の組織ギャラクターに地球の半分が占領されてしまった世界。国際科学技術庁の南部博士は、幼いころから過酷な特殊訓練を積んだ若いエージェント「ガッチャマン」たちを召集する。テレビアニメは72年10月から74年9月までフジテレビ系で全105話放送された。78年7月に劇場版が公開。その後、同10月から79年9月まで「科学忍者隊ガッチャマン2」、同10月から80年8月まで「科学忍者隊ガッチャマンF」が放送されている。