第25回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)が6日、決定。武井咲(18)が新人賞を射止めた。「愛と誠」では不良少年に恋するお嬢様、「るろうに剣心」では女剣士を熱演。みずみずしい存在感と幅広い演技力が評価された。女優に興味がなかった少女が、今は映画に出ることが「楽しくて仕方がない」と目を輝かせる。今後出合っていく作品で自身がどう変わっていくのか、自分でも楽しみという。無限の可能性が花を咲かせ始めた。

 受賞を聞いた武井は「出合った作品1つ1つに対し、すごく丁寧に、真剣に、思い切りぶつかっていこうと思っていた矢先に評価していただけるというのは、本当にうれしい。自信にもつながります」と満面の笑みを浮かべた。

 70年代に大ヒットして、映画化、ドラマ化された人気純愛漫画の復活版「愛と誠」(三池崇史監督)で、妻夫木聡演じる不良高校生を愛するお嬢様ヒロイン早乙女愛を演じた。歌って踊ったミュージカル仕立ての場面や乱闘に巻き込まれる場面などを、迫真の表情で熱演した。

 「三池監督の現場って自由で、毎日行くのがすごく楽しかった。映画って、1冊の台本を何カ月もかけて完成させていくし、見ている方向がみな同じなんですよね。たくさんの時間をかけて役を演じきれる快感もあり、映画というものの『ぜいたくな時間』を過ごすことができました」

 「るろうに剣心」では、亡き父から受け継いだ道場の師範代を務める女剣士を好演した。ドラマで女優を始めてから約3年。6月公開「愛と誠」で映画デビューを果たしたばかり。もともとはモデル志望でファッションにしか興味がなかった。演技の道に進むと、その魅力に目覚めていった。

 「もともと、女優にはまったく興味がなかったんです。多くの作品に出合い、失敗し、知らない世界を知る中で、楽しさ、魅力みたいなものにどんどんはまっていっている感じ。今はほんとに楽しくて仕方がないです」

 まだ18歳。理想の女優像を聞くと、きっぱり言い切った。「『こういう人になりたい』というより、今から出合う作品と役によって影響や刺激を受け、『自分がどうやって変化していくのか』の方が楽しみ。10年後?

 どうなってるか全く分からないです。でも何でもやってやろう、という感じです」。無限の可能性を信じている。【広部玄】

 ◆愛と誠

 ブルジョア一家の令嬢、早乙女愛(武井咲)は雪山で少年に助けられた。11年後、東京・新宿地下街で愛は不良の太賀誠(妻夫木聡)と出会う。雪山で愛を助けた少年は誠だった。愛は不良とのケンカで上京早々、少年院送りになった誠を更生させるため、自分と同じ名門青葉台学園に編入させ、アパートや学費を用意し、バイトまでして献身的に尽くすが、誠は退学となる。

 ◆るろうに剣心

 幕末に日本最強の剣客として恐れられた人斬り抜刀斎(佐藤健)は1868年(明元)1月、新政府軍が徳川幕府軍に勝ったと知ると剣を地面に刺し、姿を消した。10年後、抜刀斎は「殺さずの誓い」を立て、人を斬ることのできない「逆刃刀」を持ち、緋村剣心と名を変え全国を流浪していた。東京に現れた剣心は、亡き父の神谷活心流道場を守る薫(武井咲)と出会う。

 ◆武井咲(たけい・えみ)1993年(平5)12月25日、愛知県生まれ。06年「全日本国民的美少女コンテスト」入賞で芸能界入りし、07年にファッション誌「セブンティーン」専属モデルに。今年はNHK大河ドラマ「平清盛」に出演、シングル「恋スルキモチ」で歌手デビュー。松坂桃李と共演の映画「今日、恋をはじめます」が8日から公開。166センチ。血液型A。