女優真木よう子(30)が、7年ぶりの主演映画「さよなら渓谷」(大森立嗣監督、6月22日公開)でエンディングテーマ「幸先坂(さいさきざか)」を歌うことが12日、分かった。エンドロールまで真木による世界感を残したい製作側から打診を受け、友人のシンガー・ソングライター椎名林檎(34)を逆指名して、作詞、作曲を依頼。6年前から親交がある2人だが、仕事でのタッグは初めてになる。

 旬の女優、真木が新境地を開いた。フジテレビ系「最高の離婚」や映画「すーちゃん

 まいちゃん

 さわ子さん」など話題作への出演が相次ぐが、歌の分野にも進出する。

 11年に「TOKYO

 No.1

 SOUL

 SET」デビュー20周年記念アルバムでカバー曲を歌ったことはあるが、本人名義で歌うのは初めて。戸惑いもあったが、「歌手でない私が歌うなら信頼できる方とご一緒したい。ぜひ、椎名さんと」と逆提案してオファーを受けたという。

 真木

 自分でも本当に力を入れ、みんなが良くしようと一丸となった大切な作品。しかも大好きな椎名さんに楽曲提供していただく。プレッシャーが大きく責任感や不安がありました。

 真木は椎名と6年前に出会い、「メル友」になった。CDを贈られ、世界観に魅了されライブに何度も通った。「既存曲だったら『落日』が合ってるんじゃないかな」と想像したが、同作を見た椎名が作った楽曲を聴き、真木は自身の作品イメージとの一致に驚いたという。

 レコーディングは、ぶっつけ本番だったというが、椎名は「映画には一貫して、作為とは無縁の大自然が横たわっていた。(真木も)同じ考えをもって声を出していたのではないでしょうか」と評した。

 静かなピアノ伴奏の中、ささやきかけるようで、時折、ハスキーになる声が印象的だ。

 真木

 椎名さんの才能にあらためて驚きました。この物語は決して不幸な結末ではない。これからの人生を歩んでいく希望をにおわせたエンディングだと思っていたこともあり、しっかりとくみ取って表現してくださった気がしました。技術的なことはできないけれど、映画を見終えたお客さんが、まるで、かなこが歌っているかのように感じていただければ幸いです。

 同曲はCD化も予定されており、今後の歌手活動については「こんな歌唱力で歌わせていただけるんでしたら」と話している。

 ◆さよなら渓谷

 緑深い渓谷で幼児殺害事件が発生し、実母が容疑者として逮捕された。事件は収束に向かうと思われたが、実母と隣家の主人尾崎俊介(大西信満)が不倫していた疑惑が浮上。疑惑を証言したのは、俊介の妻かなこ(真木)だった。事件の取材を続けていた週刊誌記者の渡辺(大森南朋)による取材で、かなこは俊介が過去に起こしたレイプ事件の被害者だと発覚する。