女優前田敦子(21)俳優成宮寛貴(30)がダブル主演のホラー映画「クロユリ団地」(中田秀夫監督)が18日に公開され、前田は成宮、中田監督とともに、日本と台湾での弾丸PRツアーを敢行し、19日に帰国した。18日に東京で舞台あいさつを行い、その足で台湾へ。台北・松山空港では、約1000人のファンから出迎えられ、行く先々で「あっちゃんコール」を浴びた。前田は会見、舞台あいさつと、登場のたびに衣装を着替える4変化で両国のファンの目を楽しませた。

 女優に転身した前田が、華々しく「世界デビュー」を飾った。海外での出演映画のPRイベントに参加するのは初めてだったが、台北・松山空港の到着ロビーでは、プラカードやカメラを持ったファン約1000人に出迎えられた。到着10分前から、フライングで「あっちゃんコール」の大合唱。ゲートから姿を見せたポニーテール姿の前田は、SPや中田監督に守られ、人垣をかき分けて進んだ。それでも、もみくちゃにされる日本ではありえないハプニングだったが、前田は「好きなものを好きと素直な感情を出してくれてうれしい」と感謝した。

 車から降りるたび、会場に姿を現すたび、「あっちゃんコール」のヘビーローテーションが待っていた。会見を終えると、すぐ別の会場へ移動し、舞台あいさつに登壇。昼の東京での公開初日あいさつから、予定は分刻みで、台湾は気温30度で蒸し暑かったが、笑みを絶やさなかった。

 実は、台湾には特別な思いがあった。AKB48卒業後の昨秋、中国語に興味を持ち、台湾への語学留学を計画していたからだ。実現しなかったが、「グループ時代は1度も来られなかったのに、こんなに早く来られるとは思わなかった」。喜びのあまり、中国語で「大家好

 我是

 あっちゃん

 我愛■們(皆さんこんにちは。私はあっちゃんです。みんな愛してます)」とあいさつした。

 衣装でも楽しませた。東京での舞台あいさつでは茶のワンピースを着ていたが、台湾入り時には青のワンピースに着替え、会見では白地に花柄のドレス、舞台あいさつでは薄緑のワンピースを披露。文字通り、2カ国をまたにかけたファッションショーになった。

 ステージ上では「さすが世界の中田監督だなと思いました」と、日本ホラー界の巨匠を立てながら、「違う国にも応援してくれる方がいるんだなと思うと、糧になります」。滞在はわずか15時間半だったが、台湾を離れる19日朝も、空港で約300人のファンとパパラッチに囲まれた。初夏の台湾をさらに熱い風に包み、前田は帰国の途に就いた。【森本隆】※■=にんべんに尓