【カンヌ(フランス)21日=村上幸将】大沢たかお(45)と三池崇史監督(52)がカンヌ映画祭コンペティション部門に出品された「藁の楯」の公式上映から一夜明け、日刊スポーツの取材に応じた。世界3大映画祭を初体験した大沢は、国内で足元を固めた上での海外挑戦に意欲を示した。

 映画の祭典を体感した大沢は「より高いハードル、自分を苦しい立場に置きたい。そうしないと成長はない。海外の仕事も日程が合えばやりたい」と語った。モデルとしてパリコレクション参加経験もあるが、「モデルは飛び込めば何とかなった。俳優は行けばいいという問題ではない」と冷静に分析している。

 今年のカンヌ映画祭は日本から2作品がコンペ部門に出品された。三池監督も、「そして父になる」の是枝裕和監督も欧州では名前がブランド化している。大沢は「(俳優は)日本の監督に支えられている。商品として確立していない」。だから「日本の仕事を、手を抜かずにやるしかない」と足元を固める重要性を感じている。カンヌのレッドカーペットは目標ではなかったという。「三池さんと会い、俳優としてマックス(最大限)のことをやったら、たくさんの人が見てくれるチャンスが来た」と受け止めている。

 三池監督は三船敏郎さんを例に持ち出して、大沢の背中を押した。「三船さんは日本の世界でやってきたので、彼にしか出せない魅力があった。海外に合わせるのではなく、日本のままでやるのが、本当の意味で世界に通用すること。今やっていることをコツコツやればつながる」。大沢は「どこでやっても俳優は俳優。同じ作品で芝居する以上、ジョニー・デップもトム・クルーズも一緒。同じ熱量を注ぎたい」。レッドカーペットを歩いた感激は既に「戦闘モード」に変わっていた。