第66回カンヌ映画祭授賞式が26日(日本時間27日)行われ、是枝裕和監督(50)の「そして父になる」(10月5日公開)が審査員賞を受賞した。

 福山雅治(44)が「そして父になる」の審査員賞受賞で世界への第1歩を踏み出した。芸能生活25年、日本、アジアでは高い人気を誇っているが、国際映画祭デビュー作で、世界にその名をとどろかせた。

 フジテレビ系連続ドラマ「ガリレオ」(月曜午後9時)収録の合間を縫い、2泊4日でカンヌ入り。公式上映後、約13分のスタンディングオベーションに男泣きした映像が現地で何度も流れた。作品の特集も専門誌や地元紙で組まれ、福山自身も男優賞の候補に上った。

 是枝監督の複数の作品を見て「いつか一緒に仕事が出来たら」と思いを抱きそれが実現した。出品が決まり、「(カンヌは)晴れがましい場所。彼にとってプラスになる」と期待する監督に感謝もあった。26日深夜も「ガリレオ」の収録に追われる中、授賞式に臨む監督にメールを送った。「これで受賞を逃すと、残念な結果に終わったと書かれちゃう。僕たちが経験したあのすばらしい瞬間(スタンディングオベーション)を汚されないためにも何か取れるといいですね」

 収録後、関係者から受賞の一報を聞き、熟考し、感激のコメントを発表した。「帰国後、連日ガリレオ撮影が続いてましてコメント作成中に寝落ちしてました。スミマセン。あの10分を越えるスタンディングオベーションの中で感じた『届いた!』という手応えが審査員賞という形で監督の元に届けられたことを心からうれしく思います」

 カンヌでは今後の俳優人生について問われ、「どういう風になっていくのか…」と言いながら、「今回は自分でカンヌに来たというのじゃなく、是枝さんに連れてきてもらった。(また)来られたら」と再挑戦も口にした。近い関係者も、福山について「もっと大舞台で活動を望んでいると感じる」と話す。44歳。「世界の福山」への階段を上り始めた。