北野武監督(ビートたけし=66)による1996年(平8)公開の映画「キッズ・リターン」が、「キッズ・リターン

 再会の時」(10月12日公開)として帰ってくる。主人公の高校生2人が10年後に再会する物語で、たけしは原案として作品にかかわる。平岡祐太(28)三浦貴大(27)がダブル主演し、北野作品で助監督を務めてきた清水浩監督がメガホンを取る。

 「キッズ・リターン」が、17年ぶりにリターンする。同作は、安藤政信、金子賢が高校の同級生を演じ、それぞれがプロボクサー、ヤクザの道を選び挫折し、立ち上がろうとする青春作品。「俺たち、もう終わっちゃったのかな」「まだ始まっちゃいねえよ」というせりふが印象的で、カンヌ映画祭の監督週間部門で上映された。そして、「-再会の時」は、前作から10年後を描いている。シンジはボクシングをやめ、刑務所から出所したマサルもヤクザに戻るしかない行き詰まった日々の中、2人が再会して物語が始まる。

 再びリングを目指すシンジを演じた平岡は、3カ月以上ボクシングのトレーニングを積み撮影に挑んだ。「多くの方々に愛された伝説的な作品をしのぐものにしたいと考えました。今までにないボクシングシーンになっていると思います」と、自信を見せている。これまで好青年役が多かった三浦は、初のヤクザ役で「マサルをどう演じられるのかは非常に不安でした。2人の男の関係性を直感で感じてもらえたら」と話している。

 撮影はすでに終えており、現在は編集作業に入っている。たけしは撮影現場に入ることはなく、原案の立場を貫いた。「清水監督のイメージに沿って自由にやってみればいいんじゃない。映画は基本的に監督のものだからさ。後は1人でも多くのお客さんに喜んでいただければ。公開を楽しみにしているよ」とコメントを寄せた。一歩引いてはいるが「キッズ-」「ソナチネ」「HANA-BI」などで助監督を務めた清水監督を見守っている。製作側も「北野映画の続編ではなく、シンジとマサルの新しい人生を描く新作」と位置付けている。

 シンジを支える女性を倉科カナ、マサルの弟分ユウジを中尾明慶が演じるほか、小倉久寛、杉本哲太、ベンガル、池内博之らが出演する。