第26回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(日刊スポーツ新聞社主催、石原裕次郎記念館協賛)が9日、決定した。

 「レ・ミゼラブル」が外国作品賞に選ばれた。革命前夜のフランスを舞台に1人の男が直面した激動の人生を描いた名作ミュージカルの映画化。興行収入は58・9億円で日本で公開されたミュージカル映画の歴代1位。ミュージカル映画は撮影前に歌唱を録音しておき、口パクで演じるのが普通だが、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイら出演者は撮影現場で流れるピアノの音に合わせ歌いながら演技した。挑戦的で画期的な姿勢も高く評価された。

 受賞を聞いたトム・フーパー監督は「『日刊スポーツ映画大賞』外国作品賞に選ばれ、とても光栄です。私の最大の望みは作品が文化の壁を越えて理解されること。だから日本での受賞はうれしい」と作品の世界への広がりも喜んでいた。

 ◆レ・ミゼラブル

 19世紀、フランス革命中。盗みの罪から仮出獄したジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は逃亡後、再び盗みに手を染めるが、見逃してくれた司教に改心を誓う。ジャベール警部(ラッセル・クロウ)の追跡をかわし、ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)から預かった1人娘コゼット(アマンダ・セイフライド)を愛情深く育てる。やがて貧困からくる国民の怒りが爆発、激動の時代が訪れる。