俳優妻夫木聡(33)と女優北川景子(27)がダブル主演した映画「ジャッジ!」(永井聡監督)が11日、初日を迎えた。広告業界で活躍するトップクリエーターが監督、脚本を担当し、企業の実名を使いつつ業界の裏側を描いたリアルな世界観と、妻夫木と北川ら豪華俳優陣のコミカルな演技が“融合”した作風が業界関係者に受け、公開2週間前からマスコミ試写が連日、満員の盛況。そこから評判が拡散し、公開週の前売り券の売り上げがそれまでの2倍超と増加。14年の要注目作に急浮上した。

 この日、都内で行われた初日舞台あいさつ自体がCMだった。きつねの着ぐるみと、きつねの格好の20人の子どもが登壇し、軽快に踊った。劇中でエースコック「きつねうどん」のCMとして流れた映像を再現。永井監督は「エースコックやトヨタさんなど、よくお名前を貸してくださった。普通、嫌だと思う」と劇中に社名が登場した各社に感謝した。

 妻夫木も出演するトヨタ自動車「ドラえもん」などのCMを生みだした電通の沢本嘉光氏が脚本、サントリー「BOSS」などを手がけたCMディレクターの永井氏が長編初監督と、CMクリエーター2人が長編映画を作る異例の企画に妻夫木、北川を筆頭に豊川悦司、鈴木京香、リリー・フランキーら人気者が集結。「テルマエ・ロマエ」など近年、ヒット映画を連発するフジテレビが製作に入り公開前に効果的に宣伝を打ったのも奏功したようだ。

 妻夫木は「この年になってパンツ1丁で蹴られるキャラをやらせてもらえるのは本当にうれしい。40になっても裸で蹴られる役をやりたい」と宣言。劇中でパンツ1丁の妻夫木を蹴り飛ばした北川は、「普段はぶったりしません。(妻夫木の)肉体はすばらしい」など、ウイットの効いたコメントで会場を沸かせた。【村上幸将】