女優有村架純(21)が、来年公開の主演映画「ビリギャル」(土井裕泰監督)で金髪ギャルを演じることが12日、分かった。原作は実話をもとに昨年12月に発売され、ベストセラーになった本「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。厚化粧で耳にピアスの女子高生が、偏差値30ながらも慶大合格を目指す姿を人間愛を織り交ぜ描く。

 金髪パーマに厚化粧、耳にはピアス、極端に短い「超ミニスカート」でへそだし。これまでの有村の清純なイメージが一変する。

 有村は「ギャルという役柄が果たして自分にできるのか、とお話をいただいた時は驚きました」と当初は不安があったことを示唆した。だが、原作や台本を読み考えが変わったという。

 原作は中学、高校と勉強をしなかった、成績が「学年ビリ」のギャル、工藤さやかさんが、1年間で偏差値を上げ慶大に合格したという実話。有村は「ギャルという言葉のイメージとは異なり、主人公のさやかさんが、とても素直でいちずな女子なので、演じるのが楽しみ」とコメントした。

 そして「単に慶大を目指して奮闘する女子高生の話というより、さやかさんが一生懸命頑張る姿と合格への思いが先生、家族、友達の心を動かしていく話。その中で人との関係性、さやかさん自身の成長を私なりに真っすぐにいちずに演じたい。ドキドキしていますが、撮影が楽しみ」と意欲を示した。

 有村は昨年放送されたNHK「あまちゃん」の好演などで人気となり、今年7月公開の映画「思い出のマーニー」ではヒロイン役声優を務め、10月上演された初舞台「ジャンヌ・ダルク」では主演するなど、今をときめく「清純派女優」として活躍している。

 プロデューサー那須田淳氏は、有村の起用理由を「今、最も輝き、演技力も抜群で、心の強さとピュアさを持っている。イメージの違うギャルを演じたら面白いと思った」と説明。土井監督は「汗と涙と笑いのいっぱい詰まった、とびきりの青春映画にしたい」とコメントした。

 原作には主人公が「聖徳太子(しょうとくたいし)」を「せいとくたこ」と読むなど、楽しいエピソードが紹介されている。さやかさんや関係者を取材し、映画では、原作にもないおばかな実話もたっぷり盛り込まれる。

 ◆「ビリギャル」ストーリー

 名古屋の女子高に通う主人公さやかは、勉強は一切せず毎日朝まで遊ぶ日々。成績は学年で最下位。小学4年レベルの学力で偏差値は30。母の提案で行った塾で出会った先生と慶大総合政策学部合格を約束することに。「日本地図くらい書けるよね?」と言う先生に「無理っしょ、普通」とタメ口。それでも自分のために必死な先生や応援してくれる母、ギャル仲間の友情に支えられ本気で勉強する。家族愛と友情など人間愛が大きなテーマ。