女優吉本実憂(17)が、映画「罪の余白」(大塚祐吉監督、来年公開)にヒロイン役で出演することが19日、分かった。清楚(せいそ)なイメージから一転、難役に挑戦する。

 第13回(12年)全日本国民的美少女コンテストグランプリで、放送中のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で栄姫役を演じるなど、女優としてステップアップする吉本が挑むのは“モンスター女子高生”。現役女子高生だが、自らとは正反対のキャラクターを演じる。

 物語は、男手ひとつで育ててきた娘を転落死で失った安藤(内野聖陽)が、死の真相を突き止め、真実に迫る人間ドラマ。吉本演じる咲は、芸能界入りを控え、学校でもカリスマとして君臨するが、裏では頭脳と邪悪な心で大人たちを手玉に取る、悪の根源的存在で、鍵を握る。吉本も「かなり理解に苦しむ役。相手にぶつける言葉に慣れることは本当に大変」と感じたそうだが、約1カ月間のリハーサルで、1つ1つのシーンを撮影しては見直すことを繰り返し「ダークな女の子だと思っていましたが、目標のためなら何でもするという感情で行動してるのではないかと思いました」と理解を深めた。

 大塚監督は「役になりきり、限界を持たないタフさを身につけられた。潜在的に持っているユーモアのセンスをうまく役に取り入れてくれて、さらにおもしろいものにしてくれました」と成長を認める。現在も撮影中だが、吉本も「今は演じきることに集中しています。少し背伸びをして、自分にしかできないことを残したい」と意欲を見せている。ほか谷村美月、加藤雅也、堀部圭亮、利重剛らも出演する。