米俳優ジョニー・デップ(51)が27日、都内で行う予定だった来日会見を突然中止し、6時間後のファンイベントにも1時間近く遅刻した。招聘(しょうへい)元は「体調不良」とだけ説明した。デップは昨年11月に米国で行われた授賞式に酩酊(めいてい)状態で登場するなど、最近は「奇行」が伝えられている。

 イベント会場では予定時間から50分、ようやく宿泊先のホテルを出発したことが関係者から伝えられた。延べ100メートルのレッドカーペットが敷かれた都内の会場は約1000人のファンが待ちかまえ、会場周辺を含めると2000人近い人だかりが出来ていた。

 会見のキャンセルからちょうど7時間。会場内を見下ろすようにエスカレーターで登場したデップは黒のスーツ姿。背中が大きく割れたドレス姿の恋人の女優アンバー・ハード(28)が続いた。司会者にうながされると「日本に帰って来れてうれしい」と笑みを浮かべた。新作映画「チャーリー・モルデカイ」(2月6日公開)について聞かれると「とにかく笑える作品。主人公はスライムのようにふわふわな人間。そんな(軽い)人がハリウッドの僕の友人の中にも何人かいるけどね」と笑わせたが、語尾には力がない。足元を気にするように、しきりに足を動かした。ハードに付き添われながら約40分、ファンの間を回り、サインや握手などサービスに努めた。

 会見キャンセルや大幅な遅刻は過去11回の来日ではなかった。医療関係者が宿泊先の部屋を訪ねた形跡はなく重病とは考えにくい。

 昨年11月、ハリウッド・フィルム・アワードのプレゼンターを務めたが、酩酊(めいてい)状態での登場が話題になった。また、23歳年下のハードと昨年1月に婚約したが、米メディアではしばしばゴシップが伝えられている。バイセクシュアルを公言するハードが「同性との浮気許可」を求め、デップが体調を崩すと自分が原因と見られることにハードが心を痛めるという悪循環という。

 招へい元の関係者は「2週間で4カ国を回るハードスケジュールの疲れです。二日酔いなどでは決してありません」と話した。今日28日に仕切り直しの会見を都内で行う予定という。

 ◆ジョニー・デップ

 1963年6月9日、米国生まれ。84年「エルム街の悪夢」でデビュー、90年「シザーハンズ」でゴールデングローブ賞候補。03年に第1作が公開された「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズは世界的ヒット。「ギルバート・グレイプ」「チャーリーとチョコレート工場」などの映画に主演。仏女優バネッサ・パラディと1男1女をもうけ、12年破局。<来日会見や取材をキャンセルした映画スター>

 ▼ブルース・ウィリス

 91年に「ラスト・ボーイスカウト」のキャンペーンで初来日。二日酔いでインタビュー取材、テレビ出演を当日にキャンセル。

 ▼コン・リー

 98年に「始皇帝暗殺」の会見を中国の大洪水の被害拡大を理由にキャンセルし緊急帰国。

 ▼ペネロペ・クルス

 01年に「バニラ・スカイ」のキャンペーンのため当時交際していたトム・クルーズと来日。会見は出席したが体調不良のため、日刊スポーツを含む新聞や雑誌、テレビの個別取材を全てキャンセル。

 ▼ブラッド・ピット

 04年に「トロイ」のキャンペーンで来日したが、風邪による急性胃炎のため、会見は2時間遅れとなり、個別取材をキャンセル。

 ▼ジェームズ・フランコ

 04年に「スパイダーマン2」のキャンペーンで来日したが、疲労性急性胃炎のため会見をキャンセル。