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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


助演男優賞

笹野 高史「武士の一分」

助演男優賞の笹野高史は、笑顔でポーズをとる
助演男優賞の笹野高史は、笑顔でポーズをとる

 「ちょっとあこがれていた賞なんです。だから、本当にうれしいですね」。笹野高史(59)は「武士の一分」の徳平役で6つ目の受賞となったが、喜びは格別だった。

 笹野は舞台歴が長く、映画では「パッとやって、スッといなくなる役が多かったんです」。だから、山田監督から木村ふんする新之丞に仕える忠実な徳平役での出演依頼に「『私でいいんですか』って聞き直しましたよ」。半信半疑の笹野に、山田監督は映画「ミリオンダラー・ベイビー」を引き合いに「あのモーガン・フリーマンのような役です」と告げた。フリーマンは同作でアカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞した。「良すぎる役じゃないですか。心してかからないといけないと思いましたね」。

 撮影中は山田監督にしかられてばかりで、撮影が終わった後も「失敗した」と悩んだという。「ダメだと思ったものが報われた。不思議でしたね。でも『私は映画俳優です』って言えるようになった。おかげで映画の話もたくさん頂いて、この間、女房が映画館に行って帰ってきたら『お父さん、すごいわね。予告編5本の中で3本に出ていたわよ』って驚いていました」。

 兵庫県の淡路島に生まれ、貧しい中で母親は大の映画好きだった。11歳の時に亡くなったが、後年、俳優になったのは母の影響が強かった。「兄や親せきに言われますね。『母さんが生きていたら喜んでいただろうな』って。僕もそう思います」。しみじみと言った。【林尚之】

 [2007年12月5日 紙面から]

笹野高史(ささの・たかし)
 本名同じ。1948年(昭23)6月22日、兵庫県生まれ。日大芸術学部中退後、オンシアター自由劇場で「上海バンスキング」などに出演。85年以来、山田監督「男はつらいよ」の常連となり、ドラマ「さくら」、コクーン歌舞伎に出演。
「武士の一分」
 三村新之丞(木村拓哉)は妻の加世(檀れい)、仲間の徳平(笹野高史)と幸せに暮らしていた。だが、藩主の毒味役を務め失明してから歯車が狂い始める。加世は番頭・島田のわなにはまり、新之丞は武士の一分をかけて復讐(ふくしゅう)を誓う。山田洋次監督。
助演男優賞・選考経過
 笹野高史をはじめ、「東京タワー-」の小林薫に評価が集まった。笹野については「木村と笹野のコンビがこの作品の中核をなしていた。笹野さんなくしては、成り立たなかった」(梅沢氏)「出演作を挙げればきりがない。これまでの貢献も評価したい」(斉藤氏)、小林は「常に存在感を感じている。助演というのはこういうもの」(櫻井氏)との議論が交わされた。2回目の投票で笹野が過半数獲得。
作品賞&監督賞 「それでもボクはやってない」 周防正行監督
主演男優賞 木村拓哉「武士の一分」
主演女優賞 竹内結子「サイドカーに犬」
助演男優賞 笹野高史「武士の一分」
助演女優賞 樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
新人賞 新垣結衣「ワルボロ」「恋空」
外国作品賞 「硫黄島からの手紙」ワーナー・ブラザース
石原裕次郎賞 「武士の一分」山田洋次監督
石原裕次郎新人賞 該当者なし
ファン大賞 「HERO」「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
功労賞 北野武監督、鈴木京香


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