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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


助演男優賞

笹野 高史「武士の一分」

息子の友間、翔大、貴斗と記念撮影に納まる笹野高史。右端はプレゼンターの大沢たかお
息子の友間、翔大、貴斗と記念撮影に納まる笹野高史。右端はプレゼンターの大沢たかお

授賞式

 「武士の一分」で助演男優賞を受賞した笹野高史(59)には、サプライズで3人の息子がお祝いに駆けつけた。

 緊張していた笹野の表情が「えーっ」という驚きの声とともにほころんだ。長男翔太(16)二男友間(14)四男貴斗(10)の3人が花束を持ってステージに上がってきた。花束を手にした時にはほころびが涙に変わった。あいさつの冒頭で「感極まったので、笑ってごまかそうと思って」とマイクに頭をぶつけてみせたが、涙は止まらなかった。「表舞台、晴れがましいところが苦手で、私には似合わない。この受賞を1番喜んでいるのが亡くなった母、2番が妻、3番が子供たちで、最後が私。喜びというより申し訳ないという気持ちでいっぱいです」と声を詰まらせながら話した。

 笹野が11歳の時に亡くなった母は大の映画好きで、小さい笹野を連れて映画館に通った。妻の絹代さん(42)は笹野が42歳の時に結婚し売れない時代を支え、この日は会場の隅から夫の晴れ姿を見つめた。豪州に短期留学中の三男堅太(12)を含め4人の子供たちは父と同じ事務所に所属し芸能活動中で、「武士の一分」では貴斗と親子共演した。貴斗が「お父さんをたたく役だったので、悪いなと思った」と話すと、笹野は「息子と共演だと自分のことがおろそかになってしまう。でも、気持ち良くたたかれました」。

 今年は7本の映画に出演した。来年も数本の映画に連続ドラマ出演、舞台と仕事がめじろ押しだが「来年は還暦ですが、日本映画に貢献できるよう一からやり直すつもりなので、私を使ってください」。子だくさんのお父さんはアピールも忘れなかった。【林尚之】

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 笹野には大林三千男大阪日刊スポーツ新聞社社長が表彰状を、昨年の助演男優賞受賞者の大沢たかお(39)が盾を贈った。「武士の一分」を見たという大沢は先輩の演技に「いい勉強になりました」。来年1、2月にミュージカル初挑戦となる舞台「ファントム」(大阪・梅田芸術劇場、東京・青山劇場など)を控え、けいこづけの日々を送っている。

 [2007年12月29日 紙面から]

笹野高史(ささの・たかし)
 本名同じ。1948年(昭23)6月22日、兵庫県生まれ。日大芸術学部中退後、オンシアター自由劇場で「上海バンスキング」などに出演。85年以来、山田監督「男はつらいよ」の常連となり、ドラマ「さくら」、コクーン歌舞伎に出演。
「武士の一分」
 三村新之丞(木村拓哉)は妻の加世(檀れい)、仲間の徳平(笹野高史)と幸せに暮らしていた。だが、藩主の毒味役を務め失明してから歯車が狂い始める。加世は番頭・島田のわなにはまり、新之丞は武士の一分をかけて復讐(ふくしゅう)を誓う。山田洋次監督。
作品賞&監督賞 「それでもボクはやってない」 周防正行監督
主演男優賞 木村拓哉「武士の一分」
主演女優賞 竹内結子「サイドカーに犬」
助演男優賞 笹野高史「武士の一分」
助演女優賞 樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
新人賞 新垣結衣「ワルボロ」「恋空」
外国作品賞 「硫黄島からの手紙」ワーナー・ブラザース
石原裕次郎賞 「武士の一分」山田洋次監督
石原裕次郎新人賞 該当者なし
ファン大賞 「HERO」「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
功労賞 北野武監督、鈴木京香


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