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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


助演女優賞

樹木 希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

助演女優賞を受賞した樹木希林(中央)。左はプレゼンターの富司純子、右は浅田美代子
助演女優賞を受賞した樹木希林(中央)。左はプレゼンターの富司純子、右は浅田美代子

授賞式

 出席者がきらびやかに着飾る中で、助演女優賞の樹木希林(64)は、8日のジョン・レノン・スーパーライブ出演時と同じ服装で出席した。「この早大のネクタイは、リサイクルショップで50円よ(笑い)」。ショールのように緩く垂らすだけで、おしゃれなアクセサリーに早変わり。緊張感漂う壇上で、どこまでも自然体に語り始めた。

 樹木 暮れにかけて身内があちこちで死んで、くたびれていました。ふと、西麻布の床屋さんにまいりますと、店のご夫婦が「おめでとう!」。何だっけ? 「ウチはニッカンなの。お客さんが2人も受賞して、私たちうれしくって」。キムタクが来てるなんて話聞かないし、誰って言ったら「笹野さん!」だって。あ~っ、床屋さん一緒なんだ…。でも、笹野さんと私の頭を見ても、この床屋さんが繁盛するとも思えない。結局、宣伝でもなく、心から喜んでくれてるんだと思いました。そうしたら、ぽっかりと(心が)温かくなりました。今日はありがとうございました。

 受賞者席で笹野の隣に座ってから浮かんだという1分30秒の小話に、樹木の思いが凝縮していた。受賞作の「東京タワー」でのシリアスな母親も、今年出演した「サイドカーに犬」でのコミカルな老婦人も、気取らずスマートに演じた。「粋な色気を感じさせる生き方ってすてきじゃない?」。演技もコメントも粋な色気があふれていた。【瀬津真也】

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 樹木の35年来の友人、浅田美代子(51)が花束を贈った。樹木の理髪店スピーチに絡めて「公私ともに大好きな“バーバー”(婆々)に渡せて感激です」。前年受賞者の富司純子(62)もプレゼンターとして登壇し「10代に映画『尼寺マル秘物語』で共演したときから、あこがれです。私も早く(孫が生まれて)おばあちゃんになりたい。樹木さんを追いかけ続けます」と祝福した。

 [2007年12月29日 紙面から]

樹木希林(きき・きりん)
 本名・内田啓子。1943年(昭18)1月15日、東京都生まれ。61年、文学座研究生になる。当時の芸名は悠木千帆。64年、ドラマ「七人の孫」で東北弁のお手伝い、おとしさんを演じて注目され「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などに出演。77年、現名に改名。映画、ドラマ、CMなどで活躍。73年、歌手内田裕也と結婚。来年は是枝裕和監督の「歩いても 歩いても」に出演。
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
 当時3歳のボク(オダギリジョー)は、真夜中に帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)に焼き鳥のくしを食べさせられる。オトンに手を焼いたオカン(樹木希林)はボクを実家に連れ帰り、女手一つでボクを育て始めた。松岡錠司監督。
作品賞&監督賞 「それでもボクはやってない」 周防正行監督
主演男優賞 木村拓哉「武士の一分」
主演女優賞 竹内結子「サイドカーに犬」
助演男優賞 笹野高史「武士の一分」
助演女優賞 樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
新人賞 新垣結衣「ワルボロ」「恋空」
外国作品賞 「硫黄島からの手紙」ワーナー・ブラザース
石原裕次郎賞 「武士の一分」山田洋次監督
石原裕次郎新人賞 該当者なし
ファン大賞 「HERO」「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
功労賞 北野武監督、鈴木京香


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