<渓流FISHING>

 天然アマゴの数釣りを楽しもうと3日、奈良・十津川水系の西川へ出掛けた。午前7時ごろから「小坪瀬集落」付近へ入川。昨年の台風12号による大水で川が荒れ、解禁(1日)直後の釣り荒れもあったが、深みの食い波を巧みなオモリ使いと完全フカセ仕掛けでとらえ、午前中の4時間ほどでヒレピンの美しい14~21センチを39匹に28センチのイワナも釣りあげた。災害による不安がいっぱいの解禁だったが十分な釣果に恵まれ、渓流の春を存分に楽しんだ。

 午前6時ごろ、西川に到着。下流の重里集落から川を見ていくと、昨年の大増水で川底が上がり、渕や荒瀬が少なくなっているが、小山手集落からはなんとか釣りができそうな渓相になってきたので同7時ごろに小坪瀬集落から入川した。

 まずは4号のオモリをハリの上15センチにセット。生イクラをエサに渕の落ち込みに仕掛けを入れ、中層を流してみるがアタリなし。流れの筋を変えてもダメ。どうやら釣り易い流れはすでに釣り荒れているようだ。

 それならと攻めづらい深みの底波を徹底して攻める。オモリをBに交換しハリ上20センチにセット。素早くエサを沈め、着底と同時に道糸を張ってわずかに底を切り、エサが流れに乗って先行するように止めて待つ。これを約50センチの間隔で繰り返す。イメージはオモリで底スレスレを叩く感じ。

 すると、目印が一瞬止まった後に上流へ走るアタリが出た。合わすとアマゴが川底で魚体をくねらせて白い光りを放つ。タモに収まったのはヒレピンのきれいな魚体をした16センチの天然アマゴ。同様に流すと同型が5連チャンで入れ掛かり。

 アタリが止まると1号オモリを1個ずつ追加しながら流シン底をゆっくり流すとコンスタントに食いが続き、白泡の下ではツツーンとサオにまで響くアタリ。タモに飛び込んだのはポッテリと肥えた21センチの良型。

 午前9時ごろには流れが複雑な大渕を発見。こんな渕はオモリを外して完全フカセで攻める。目印を水深の2倍まで上げ、エサが底波に入るように道糸を複雑な流れにまかせて送ると鋭いアタリで18センチがヒット。同様に1時間ほど攻め続け14~21センチを13匹追加した。

 さらに釣りあがると岩盤のえぐれ際では28センチのイワナもヒット。その後も深みの底を攻め続け14~21センチのアマゴを39匹に28センチのイワナ1匹の釣果を得た同11時前に満足しサオを置いた。【日刊FPC・上西逸朗】

 【今後の見通し】例年に比べるとアマゴの魚影が少し薄い感じだが終盤まで十分に楽しめそう。水温が上がり、水況の良い日には良型も釣れだすだろう。お勧めは芦廼瀬川支流の大野川と滝川で比較的安定した釣果が望めそう。1日も早い河川の回復を期待したい。

 【問い合わせ】十津川漁協【電話】07466・6・0305。入漁券は、年券6000円、日券3000円。

 【交通】マイカー利用が便利。国道168号で十津川村へ。「蕨尾」で右折し、川に沿って上流へ。