<渓流FISHING>

 幅広の天然アマゴを求めて先日、奈良・上北山村の北山川本流に釣行。午後1時ごろ西原集落から入川、減水と釣り荒れでアマゴの警戒心は強かったが、食い込みの良い川虫をエサにナチュラルドリフトで探り、3時間ほどでポッテリ肥えたヒレピンのきれいな17~23センチの天然アマゴを18匹キープ。特にヒラタのエサに好反応を示したことからアマゴ釣りが盛期を迎えたことを実感した。

 午後1時ごろ、川に下りて川虫を採取したあと、川岸から離れ、まずは早瀬の瀬頭にオニチョロをエサにして投入。目印が瀬尻まで流れた瞬間、いきなりツツーンと鋭いアタリ。合わせると水中で良型の獲物がギラリと光ったが痛恨のバラシ。すぐに新しいエサに替えて流すがアタリなし。

 次は30メートルほど下流の瀬を攻めると今度は目印がきれいに上流に走り、ヒレピンのきれいな20センチの天然アマゴを取り込んだ。魚体は川虫を食ってポッテリと肥えている。

 最初にバラしたアマゴが気になり、もう1度柔らかくて食いが抜群に良いヒラタのエサで攻め直すとこれが当たり。目印が一瞬止まり次の瞬間、流シンに走る引きをかわしてドスンとタモに入れたのは幅広の23センチ。サイズもさることながら、その美しい魚体はまさに渓流の宝石といわれるにふさわしく、思わずうっとり。

 だが釣りやすい瀬やふちでは、釣り荒れでアタリなし。盛期を迎えアマゴの警戒心が非常に強い。こうなると自然なアプローチでエサを入れにくいサオ抜けポイントを攻めるしかない。

 流れに合わせて、こまめにオモリや手尻を調整しながら、できるだけ軽い仕掛けでエサのヒラタを流す。エサがオモリより先行するようナチュラルドリフトで探ると、瀬肩がふちに落ちる吸い込みや流シンの底、大石の横で、17~20センチを追加していく。

 その後もサオや自分の影を水面に落とさないように太陽の位置に細心の注意を払いながら釣り上がり、サオにガツンと来る鮮明なアタリを楽しんだ。同4時ごろ、上流から下ってきた釣り人と出会い、話を聞くと「ミミズとイクラで2匹だけ」という。どうやらアマゴ釣りは川虫主体の佳境に入ったようだ。3時間ほどの釣りだったが、ポッテリ肥えた17~23センチを18匹キープし納竿。盛期のアマゴ釣りを満喫した。【日刊FPC・上西逸朗】

 【今後の見通し】今年はアマゴの型が良い。魚影もまずまずで、終盤まで十分楽しめそうだ。エサは川虫主体で、柔らかくて食い込みのいいヒラタがよい。8月には、池原ダムからそ上する大型のアマゴも楽しみだ。水況を確かめて出かけたい。

 【問い合わせ】上北山漁協【電話】07468・2・0177。年券は1万円(アユ・アマゴ共通)、日券は3000円。

 【交通】大阪・堺市から南阪奈道路を利用、葛城ICを出て。国道165、同24号を経由して橿原市内へ。小房交差点を右折、同169号を南下、大滝、大迫ダムを経て上北山村へ。本流筋は「西原」「河合」集落が川に近く入川しやすい。