<船FISHING>

 釣って良し、食べて良しのマダコが初期から好調に釣れている兵庫・明石沖へ5月31日、同・林の「小松乗合船」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で出た。午前6時すぎから冷凍小アジをエサにタコテンヤ仕掛けで挑戦。潮の流れが速い時間帯が長く、苦戦したが上下に腕を振る誘いで、午後1時すぎまでに800グラムまでを8匹ゲット。サオ頭は生頼喬さん(神戸市)で1・5キロまでを24匹。浅田博さん(神戸市)は2・3キロの良型を仕留めた。今年は豊漁の見込みで、流れが緩い日なら入れ掛かりも期待できる。

 グーッと指先に重みを感じたらマダコが乗ってきた合図!

 じっくり待ってから大きく合わせ、一気に取り込む。一瞬でも気を抜きラインを緩めるとハリから外れてしまう。マダコ釣りはこのやり取りが面白い。

 午前6時すぎ、甲殻類などのエサが豊富で、速い潮にもまれ身が締まってうまいマダコが釣れる明石沖に入った。水深は約10メートルで底は小石交じりの砂地。へ先に入りカラーテープの飾りをつけたタコテンヤにハリ金で小アジを巻きつけてスタンバイ。

 船長の合図で一斉にテンヤを投入し、船尾から船を流して広範囲を探っていく。腕を小さく振りながらマダコの乗りを誘っていくと船尾から掛かりだし「しゃくりのテンポを変化させながら探る」井手明さん(姫路市)が500グラムまでを順調に引き抜いていく。

 朝イチは流れが速く、ポイントを先に探れる船尾が有利だったが、潮の流れがゆるみだすと他の場所でも掛かりだし同8時すぎ、右舷の浅田さんに良型がヒット。取り込んだのは2・3キロ。頭が大きく足がぶっとい迫力ある大ダコの姿に浅田さんが「今年は出だしからいい型が釣れるね。こりゃ食べ応えがあるよ」とニンマリだ。

 へ先では常連の生頼さんが二刀流で挑戦。2つのテンヤを左右に投げ分け1・5キロまでを手際よく釣っていく。タコを逃さない素早い取り込みが見事だ。周りがにぎわう中、取り残されていた私にも、ようやく指先にグーッとくるマダコのアタリ。

 少し待ってから大きく合わせ、一気に引きあげたのは300グラム。続けて500グラムまでを3匹追加。マダコは魚のような引きはないが、指先に重みを感じて掛け合わせた瞬間がたまらない。時合なのか、あちらこちらで鋭く腕を振り上げ500グラムまでを次々に取り込んでいく。

 だが、午前11時ごろから流れが速くなると、底がとりづらくなりペースダウン。船中で2・3キロまでを5~24匹釣ったところで午後1時すぎに終了。獲物は、刺し身などにして食べたがかめばかむほどうまみが出て最高においしかった。【中村和嗣】

 【今後の見通し】マダコは梅雨明けからが本番。夏日が続けば新子も成長し、8月中旬まで数、型ともに楽しめる。その後は数が減ってくるが、良型が増え、3キロ超の大物が狙える。

 【問い合わせ】小松乗合船【電話】078・923・8711。乗合船料金は1人7000円(エサ付き、小学生半額)。出船は午前6時ごろ。定休日は火曜日。

 【交通】JR明石駅・山陽明石駅下車、タクシーで約8分。車は第2神明道路の玉津ICを出て国道175号を南下。国道2号に合流する和坂交差点を直進。山陽電鉄の踏切を越えた林小学校前の信号を右折し県道718号を西へ。3つ目の信号を左折して直進。林崎漁港内に同乗合船の待合所がある。