<フィッシング・ルポ>

 静岡・伊豆半島の磯釣りがアツい!

 梅雨が明けた途端に連日の猛暑だが、南伊豆・石廊崎を中心に同・大瀬、西伊豆・雲見など沖磯で高級魚イサキが釣れている。多いときは10匹台の好釣果もゲット。また、シーズンのピークは過ぎているものの、メジナも侮れない。時折、40センチ超がヒットし、強烈な引きが楽しめる。先ごろ、石廊崎にアタックした日刊釣りペン・クラブの磯釣りマン、鵜沢政則さん(62)がルポする。

 この日は、ウネリが高く場所も限定され、渡ったのは「大根」で水道側の釣り場に入った。だが、朝の時合いは満潮時と重なったせいか、ウネリは一層大きくなって島の裏側まで波が回り、足元のサラシ(白泡)は洗濯機の中のような状態で払いだす。こういった時は魚もなかなか口を使わない。それでも、コマセを投入し、サラシの切れ間に仕掛けを入れていく-と、ラインにアタリ(変化)があり、合わせるとギュンギュンッ!

 30センチ余りのメジナが躍り上がった。オナガだ。

 メジナは、甲高の「クチブト」と、全体にスマートで尾が長い「オナガ」の2種類があり、エラブタのふちが黒いのがオナガで、伊豆の磯ではこの時期、定番ともいえる獲物だ。同行した釣友も同サイズのオナガを取り込んだ。

 ちなみに「梅雨メジナ」は本来、産卵後で体力を回復するために荒食いをするクチブトが主役。しばらくして、30センチクラスのクチブトが飛びついた。私は<沈め全層釣り>で、釣友は2段ウキをセットした<沈め釣り>だったが、ウネリがある中では釣友の仕掛けの方がしっかり入る。そこで仕掛けを2段ウキにチェンジすると、クチブトとオナガ交じりで30センチオーバーがヒットした。潮が沈み込む場所に絞って仕掛けを潜らせるとアタリが出る。釣友は36センチの大型クチブトを釣り上げた。

 こうなってくると、イサキもほしい-で、ジンタンを重くして、やや深みを攻めた。ウネリの影響でか、はじめはなかなか反応が出ず、波が収まってきた昼すぎだ。微妙なアタリで合わせ、30センチ弱のイサキをゲットできた。しかし、ここで残念にも帰港タイム。ナギのコンディションでやれてれば数釣りが楽しめただろう。

 実際に石廊崎では、渡船宿「橋本屋」の釣況データによれば、今月は3日に大根で8匹、さらに16日「丸島」で5匹と、同場所で3・08キロを最大にマダイも3匹出ている。隣の大瀬もイサキは9日に丸島で10匹、15日は「オン根」で3人組が計25匹みたが、その夜に大根で5人が計83匹仕留めた。両地区は夜釣りもOKで、納涼を兼ねて狙うのも面白い。西伊豆・雲見もイサキが釣れており、14日は「沖トンビ」で2人が計7匹収めた。いずれも30センチ前後の良型が魅力。メジナも時折、40センチ超が掛かり、まだチャンスはある。状況に応じたタナ取りがカギだ。

 ▼南伊豆・石廊崎「橋本屋」

 渡船午前4時集合、夜釣り9月14日まで午後2時集合、ほかにイシダイやモロコなども期待あり。各5000円。【電話】0558・65・0108。HP<http://blogs.yahoo.co.jp/lucida5272/>

 ▼同・大瀬「倉の下」

 渡船午前4時集合、夜釣りは9月15日まで午後2時集合、各5000円。ほかにイシダイなども狙える。【電話】0558・65・0167。HP<http://www11.ocn.ne.jp/~ookura/>

 ▼西伊豆・雲見「佐市丸」

 渡船は午前4時30分集合で同5時が目安、5000円。イサキほかカワハギやイシダイなどを主力に、シイラやワラサも回遊中。【電話】0558・45・0248。HP<http://www.saichimaru.jp/>

 ※いずれも日刊スポーツ新聞社指定。交通も含め詳細は各地区要確認。