<フィッシング・ルポ>

 1月15日からスタートした第1回磯メジナ伊豆半島ダービーがいよいよ、残り20日を切ってきた。前半戦は強風と積雪の影響で訪れる釣り人さえいない状態だったが、今月中旬から40センチオーバーが連発しだした。首位もここ数日、激しく入れ替わる戦国状態に突入している。3匹の全長勝負だが、トップで131センチの杉崎伸張さん(60=小田原市)から22位までの差はわずかに9・7センチ。まだまだ、逆転劇が展開されそうだ。

 トップを走るのは3匹合計で131センチの杉崎さんだ。磯釣りを始めてもう35年になる。西伊豆・雲見「佐市丸」が大好きで通い続けている。「なにしろさ、釣りがどうこういう前に景色がいいんだよ。目の前に富士山が見えるだろ。気持ちいいんだよ」と屈託なく笑う。1月に2回、2月は天候との相性が悪く動けず、今月22日に約1カ月ぶりに大根に入った。

 あいにくの西風ではあったが、手前にできたサラシを飛び越してコマセを打って、やや遠投して狙った。午前中からアタリが連発し、43・7センチと42・8センチを含み16匹をキャッチ。しかも、45センチのクロダイもゲット。同じ場所で釣っていた仲間もクロダイ54センチを釣り上げて「なかなか面白い釣りだったよ」とご機嫌だ。

 ただ、杉崎さんは1位とは思っておらず「意外だねぇ~、でも、うれしいなぁ。4月第1週にも行こうと思っているので、記録を伸ばしたいですね」と話した。

 2ミリ差で杉崎さんを追いかけるのは、5日前に同じ大根に入った大須賀隆さん(60=塩尻市)だ。長野県在住なので、月に1度ペースだが、今回はダービーということもあり、2月21日、今月は3日と17日に訪れている。17日は朝から波が高かったが、サラシの切れ目を集中的に狙って、パターンをつかんだ。タナはサオ1本(5~6メートル)で41・5センチ、40・5センチなど約30匹を次々に釣り上げた。

 「調子はよかったですね。サラシの下にうまく潜りこますことができた。途中で潮が変わって、潮目を狙って約20メートルほど投げないと反応しなかったけど、打つ手が当たって楽しかった」と振り返る。

 30日には雲見カップがあり、出場を予定。さらに4月にも釣行を予定しており、さらなる記録更新を視野に入れる。「頑張ってみます」と力を込めた。

 3位は、すでにダービーだけで南伊豆・石廊崎「橋本屋」で7回の釣行を重ねた松平光央さん(41=多摩市)だ。スーパー勤務のため、週末の釣りは難しく、大会なども出場しにくかったが「こういう平日の釣りが記録につながる大会は面白いですね。アツくなっちゃいます」と松平さん。

 今月24日に小島に入った。最初の3時間は何も反応がなく、つらい時間を過ごしたが、潮が変わってから入れ食いモードに突入した。45・9センチ、42センチと釣り上げ、30センチ台も7匹。20位から一気に3位までジャンプアップした。「産卵前なので、デカいのは深い場所にいる。これからが本番と踏んでいる」と虎視眈々(たんたん)と上位を狙っている。25日現在でトップから22位までが9・7センチの中にひしめいている。一発逆転も期待できそうだ。【寺沢卓】

 ▼問い合わせ

 石廊崎「橋本屋」【電話】0558・65・0108。▽大瀬「倉の下」【電話】0558・65・0167。▽雲見「佐市丸」【電話】0558・45・0248。(渡船料金は各宿に要確認)

 ダービー参加費は1000円で、その場で特製Tシャツを進呈する。4月15日(火)まで。期間内なら何度でも挑戦できる。釣り上げたすべてのメジナの大きさが上位3匹までの合計全長で競う。

 賞品は1~5位までと、下位にも飛び賞が設定されるが、何位に賞が出るかは後日発表する。◆3匹合計120センチ以上<1>131・0杉崎伸張<2>130・8大須賀隆<3>129・4松平光央<4>128・9紫葉繁

 <5>126・3高橋新吾<6>126・2松本伸一<7>126・0大沢雄一<8>125・2小川幸一<9>125・0三村重雄<10>124・7高橋勤<11>124・4山木隆男<12>123・5辻明<13>123・4古里吉明<14>123・2中山紘一<15>122・8亀井将良<15>122・8戸原直<15>122・8望月高宏<18>122・5熊川武司<19>122・2森岡朋之<20>122・0小林尚喜<21>121・5鈴木健二<22>121・3中尾光博※合計記録の単位はセンチ。敬称略