<船FISHING>

 盛期に向け、イサギの食いが一気に上向いてきた南紀・印南沖へ数釣りを楽しもうと7日、出掛けた。同所の乗合船「木下丸」(日刊銀鱗倶楽部加盟店)で早朝から同沖に出て、木下芳治船頭と共にサオ釣りで挑戦。深場で入れ掛かりになり、2時間半ほどで23~33センチを80匹もゲット。クーラー満タンで午前9時前に早帰りした。今シーズンのイサギは数、型ともに期待十分だ。

 印南沖のイサギが例年以上に活発な食いをみせている!

 最盛期を前に、早くも3ケタ釣果が出ており、型も良く、ぼってりした30センチ級がまじる。午前6時半すぎ、水深約75メートル(底は岩礁帯)に入った。すぐに船頭がアンカーを投入。「底から5メートルほどきってから探って」との合図で開始した。

 右舷に入り、スチールのコマセカゴ(鉄仮面)にアミエビを半分ほど詰め、4本バリのサビキ仕掛けを投入。まずはイサギの群れを引き寄せる。指示ダナでサオを上下に振ってコマセを出しながら、ゆっくり引き上げることを繰り返す。

 すると、20分ほどで船頭にアタリ。グングングンと穂先が海中へ引き込まれ、ロッドが満月に。なんと25~30センチのイサギを8連で釣りあげた。さすがだ。コツを聞くと「アタリがきたら少しずつコマセを出しながら、ゆっくり5メートルほど引き上げるだけだよ」と話す。

 まねると効果てきめん。グッグッグッとサオに重みが増していく。取り込んだのは3連で、しかも28~30センチの良型ぞろいだ。そしてまきエサが効きだすと、爆釣モードに突入。23~28センチが2~3連で釣れ続く。

 中には早くもぼってりと抱卵したイサギがまじる。うわさ通りの型の良さ、魚影の濃さににんまり。船長も「麦わらイサギが人気だが、この時期もうまいんだ。今は身が締まっていて、ほどよい脂が乗っているのでお薦めだよ」と太鼓判を押した。

 その後も、休む間もない入れ掛かり。群れの上層にいる良型のイサギを狙っていくと、食いダナが10メートルほど上がり、手返しが速くなり大忙し。あっという間に中型クーラーが満タンに。

 この分だと余裕で3ケタ釣りもできると実感。満足釣果を得たところで同9時前に早帰りした。この日は朝一に大型が釣れる浅場(水深25~30メートル)にも入ったが、下り潮のために不発。「上り潮の日なら40センチ級が狙える」(船頭)という。【中村和嗣】

 【今後の見通し】水温が安定してくれば、浅場で35~40センチ交じりの入れ掛かり楽しめ、3ケタ釣果が期待できる。抱卵イサギは4月末から本格的に釣れだし、6月中旬に最盛期を迎える。黒潮の影響を受ける上り潮が流れると食いがよい。

 【交通】電車はJR紀勢本線の印南駅下車。海岸方向へ徒歩約7分。車は大阪から、阪和自動車道の印南ICを出て県道28号を南下し印南港へ。

 【問い合わせ】木下丸【電話】0738・42・0313。乗合船料金は1万1000円(仕掛け、エサ、氷付き)。無料の貸しサオあり(電動リール付き)。無料仮眠所あり。出船は午前5時すぎ(季節によって変動)。