＜ヘラＦＩＳＨＩＮＧ＞

　大型のヘラブナが絶好調で釣れている奈良の「布目ダム」でＮＨＣ（日本へらぶなクラブ）が主催する「野釣りオープン第１戦」が２４日、行われ、１７人が参加しヘラの２匹長寸を競った。私は午前５時半すぎから釜淵橋下に入り、長ザオのチョウチン釣りで挑戦。午後２時までに３８～４０・５センチを１１匹釣りあげた。優勝は芝原明次さん（草津市）で４４・５、４２・７センチをそろえた。全体では４０センチ超が１５匹もあがる活況で、長ザオが満月に曲がる豪快な引きを堪能し、大満足の１日だった。

　タフな条件も何の、果敢な攻めに大型ヘラが好反応！

　午前５時半すぎ、釜淵橋下に入った。釣り場は満員でヘラがなかなか口を使わない厳しい状況が予想された。

　実績のある浅ダナのセット釣りをする人が大半だが、サオがまったく曲がらない。そんな釣況から、深場にヘラがいるのではないかと考え、２１尺のサオにチョウチン釣りの仕掛けをセット。エサは大型に的を絞って両ダンゴとした。

　開始１時間は反応なし。それでも、魚の寄せを意識して大きめのエサで打ち返すと、徐々にウキの動きに変化が出だし、ウキがズバーッと水中へ引き込まれた。合わせるとサオが大きな弧を描く。強烈な引きでサオの胴までしなるが、なんとか耐えて浮かせたのは、この日最大の４０・５センチだった。

　その後は、ひっきりなしにアタリが出るが、マブナやハスばかり。そんな他魚に耐えながら、エサ打ちを続けると、ヘラが回遊してきて良型を数匹釣りあげるが、スレやカラツンが目立つ。

　そんな中、ウキを見ながらエサがぎりぎり持つ柔らかさを探っていくと正午前からペースアップに成功。ウキが立ち、エサの重みが表れ、すぐのアタリでも釣れるようになり３８～４０センチを７匹追加。深場から釣りあげる大型の引きは強烈でグイグイとサオを絞り込む。

　アタリが出ない場合は魚がいないと判断し、待たずにエサを打っていく。その繰り返しで大型の食いを引きだし、長ザオのチョウチン釣りというダイナミックな釣りを堪能。終了の午後２時までに３８～４０・５センチを１１匹釣りあげた。

　結果は８人が４０センチ以上を２匹そろえ、１３人がリミットメイクに成功。驚くべきはそのサイズ。全体で１５匹の４０センチ超が飛び出した。季節の変わり目でヘラの反応が微妙な中、浅場のセット釣りに逃げず、大型だけを狙って深場を両ダンゴで攻めた選手が大助を手にした。【日刊ＦＰＣ・土屋直人】

　◆エサ

　「Ｓグリーン」３に水１を入れ、５０回ほどかきまぜ、約５分放置し、「Ｓグリーン」１を加えたもの。

　【問い合わせ】布目川漁業協同組合【電話】０７４３・８６・００５５。コイ、フナの遊漁券は年券５０００円、日券１０００円。現場売りは５００円アップ。

　【交通】名阪国道の小倉ＩＣを出て県道１２７号を北上。県道８０号に出たら左折し、布目ダムへ。

　【今後の見通し】布目ダムは毎年、５月中旬～６月に釣果が安定してくる。大雨が降ると、ハタキで産卵しきれなかったヘラがハタきだし、超大型の大釣りも夢ではない。現在、ほぼ満水で釣り場が限られるが夏に向けて水位を落とすのでかかり場が増える。基本的には深場で中尺～長ザオでの宙釣りがメインになる。