<2014月桂冠杯・兵庫揖保川アユ釣り大会>

 日刊スポーツ、日刊銀鱗倶楽部主催「2014月桂冠杯

 兵庫・揖保川アユ釣り大会」が24日、兵庫・揖保川の五十波地区で行われ、63人が参加し野アユの総匹数を競った。上流域で前夜に降った雨で濁りが入り、野アユの追いが、かなり渋かったが、瀬に入った人を中心に釣果を伸ばし、神河橋下流でテトラ前の流シンを果敢に攻めた森雨魚さん(59=姫路市)が9匹、540グラム(オトリ2匹込み)を釣りあげ、初優勝した。最長寸を追わせた人に贈られる「月桂冠賞」は24・2センチを仕留めた金砺光貞さん(55=神戸市)が選ばれた。

 揖保川は台風などによる雨で2メートルほど増水したがようやく水位が下がり、入川可能になったばかり。新アカが付き始め、サラ場も多い最高の条件で大会を迎えるはずだった。ところが前夜に上流で雨が降り、状況が一変。濁りが強まる悪条件での戦いを強いられた。

 エリアは野田橋~さつき橋までの約3キロ間。午前6時半から、揖保川漁協前の大会本部で抽選番号順にオトリを受け取り、思い思いのポイントへ向かった。曇天で水位は20センチ高。濁りが薄かった早朝は、全体的に早瀬で野アユの追いがみられたが、1時間ほどすると、上流から徐々に濁りが入りだし、条件が悪化した。

 そんななか、早々に良型のオトリを手に入れた人が瀬脇や、岸寄りの残りアカの付いた石周りを攻め、縄張りアユを拾っていった。また、小型のアユが跳ねるトロ場やヘチの浅場でオトリを大事に泳がせる人もポツリポツリとサオを曲げた。

 だが、濁りは強まるばかり。その後は底石をイメージしながらの釣りで奮闘。消波ブロックなど、目に見える障害物の周辺を探ったり、人頭大の石が点在するトロ場をオトリまかせに泳がせ、辛抱強く釣っていく。

 残り1時間をきると急瀬の流シンに立ち込み、トラブル覚悟で一発大型を狙う人や、ポイントをどんどん移動して広範囲を探る人なども現れ、悪条件にもめげず終了時間ぎりぎりまで粘り強く野アユを追い求めた。

 同11時からの検量では濁りの中でも上位3人が9匹を追わせる健闘をみせ、重量勝負の接戦となり、審査会場を大いに盛り上げた。

 総評としては朝一番からオトリの入れ替えに成功し、積極的に瀬を攻めた人が匹数を伸ばす結果となった。濁りがなかった前日は23センチ級が続々と釣れ、26センチの大型も姿をみせており、濁りさえとれれば数、型ともに期待十分。9月の半ばからは尺アユも狙える。【近江康輔】