<フィッシング・ルポ>

 ワラサがきたあ!

 あのブリの若魚で、東京湾口の剱崎沖を中心に群れが回っている。3~4キロクラスが多く、ヒットしてからサオが折れんばかりに曲がる強烈な引きはド迫力!

 三浦・毘沙門港(神奈川)の「新店(しんみせ)丸」では、トップが20匹近い爆釣をみるなど、早くも<当たり年>の呼び声が高く、今後が注目されるターゲットだ。

 急に秋めいてきたが、この日は朝から雨が降り、風が北東で涼しいというよりは寒いぐらい。そんな中でも、剱崎沖のワラサ釣りはアツかった。

 海上には30隻余りの釣り船が浮かび、「新店丸」のワラサ担当の鈴木政幸船長(65)が指示したタナ(狙う魚の泳層)は「底から10メートル上」だ。それに従って仕掛けを底まで落とし込み、コマセを振りだしながら、指示ダナに合わせて置きザオで待つ-。

 最初、ワラサは沈黙していたが、それでも、ワラにもすがる思い!?

 で、投入を繰り返すうち、左舷の胴ノ間(中央)にきた。サオがググーンッ…と絞り込まれた途端にギュンギュンッ!

 力強いバイブレーションとともに大きく折れ曲がる。これゾ、ワラサ釣りの醍醐味(だいごみ)-。タモ網に取り込んだのが、3キロ余りのワラサだ。

 コマセが効いてきたらしく、隣の加藤雄二さん(59=日刊釣りペン・クラブ)にもヒット!

 こちらも猛烈にサオが引き込まれ、懸命に耐えつつ、4キロ近い丸々としたワラサを釣り上げた。

 これを合図にヒットが連発したが、潮の流れがきついのに加え、掛かったワラサが暴れ回り、隣や反対側の人らのラインに絡むオマツリのラッシュ!

 バラシも多発し、船上はまさに“戦場”騒ぎ。いつの間にか、周りの釣り船は40隻以上の大船団に膨れ上がり、<ワラサ銀座>のにぎわいブリだ。

 ところが、このころからヒット率がダウン。船長の指示ダナが「上から○メートルで止めて」に変わった。すると、再びポツリポツリとワラサが釣れだし、またまたオマツリも続出。これに苦戦してゼロで終わった人もいたが、トップは右舷ミヨシ(船首)で6匹、途中でサオを畳んだ加藤さんは3匹を収めた。

 「新店丸」では、8月25日にトップが17匹をマークし、29日16匹、30日と31日は12匹と2ケタ台が続き、9月に入っても勢いは衰えず1日に15匹をみている。

 同じ海域を狙う横須賀・久里浜港(神奈川)の「大正丸」も8月28日に12匹、9月1日は18匹と、こちらも絶好調。また、千葉・内房沖でもフィーバー中で、勝山港「宝生(ほうせい)丸」は8月26日に6・8キロのブリ級に近い大物を仕留め、数でも27日に11匹を記録。隣の保田港「村井丸」もスタートさせた9月1日にいきなり10匹が出る好発進ブリ。ワラサ釣りはこれからがアツい季節だ。【長瀬川忠信】

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新店丸」【電話】046・881・6637。ワラサの乗合は午前6時出船、エサ&コマセと氷付き1万円。ほかにキハダも出漁中で、氷付き1万1000円(エサ別)詳細は要確認。第2&第4金曜日定休。HP<http://www.gyo.ne.jp/shinmise/>

 ▼交通

 車利用が便利。横浜横須賀道路・佐原インターから三浦方面に走り、島田公園の信号を左折、国道134号で剱崎方面へ向かい、金田漁港と江奈漁港を経由、毘沙門バイパスのトンネルを出て300メートルほどで「新店丸」の駐車場がある。詳細要確認。