<チャレンジ!!ヘラブナ道場!!>

 11月3日(月・祝)に千葉・三島湖で実施される「2014日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」の最後の予選会(総重量審査)に先がけて、23日、道場の門下生がサオを出した。湖の状況を観察した関川康夫師範代(61)からは「一発勝負」という指示が残されていた。おや、小さく「DE」が挿入されている。一体、どういうことなのか?【22日】

 今回、7メートル減水している三島湖に挑んだのは1期生の永瀬洋(38)と中村豪(33)と、今年から加わった2期生の小学生釣り師、佐野代吉(12)の3人だ。

 3人の到着は22日夜で、関川師範代と大関実コーチ(46)は、その前に試釣をする予定だった。

 しかし、激しい雨と風で待機。結局、サオは出せずに店主の森和人さんからの情報と湖水の感触から分析。師範代が門下生に出した課題は「一発勝負」だった。よく見ると真ん中に「DE」と入れてあった。

 師範代

 両ダンゴではなく、セットで釣ってもらう。食わせエサに「一発」(黄色)を選んだ。それとバラケはSデザイン(ピンク)だけ。サオは13尺(約3・9メートル)でよかろう。

 師範代が三島湖を去り、大関コーチからこの指示を聞いた3人は「?」。23日の釣りをイメージしながら仕掛けづくりに没頭した。【23日(1)】

 シトシトと降る雨。豚小屋下にボートを並べた。風はほぼない。手で湖面に触れると、温かさを感じる。気温は13度。このギャップをどう考えるか。

 大関コーチ

 雨も冷たい。推測ですが、温水帯が浮いてきて、雨による冷水帯は底に潜ったのではないか。バラケエサの大きさとハリスの長さ調整がポイントになる。

 代吉、永瀬、中村はちょっかいを出してくるブルーギルに苦戦した。その中、大関コーチが良型を上げた。3人とも目をパチクリ。

 大関

 両ダンゴではなく、セットにする意味がある。バラケはよーく練り込んで大きくつける。少しずつ開いて(水中で溶け出すこと)粒が煙幕のように広がっていく。その中に黄色い一発があってヘラの食い気を誘うんです。下のハリスは60センチから80センチに長くした。食いがしぶいようなら1メートルまで伸ばしていい。【23日(2)】

 しばらくすると代吉のサオがしなった。モゾモゾとウキが動いて、直後に勢い良く水没。慌てずに合わせてジャスト40センチをゲットできた。代吉は「大きく合わせるとはじいてバレると言われたので、サオの柔らかさで振り上げました。気持ちいいです」とニッコリ。

 永瀬と中村も次々に釣れて、季節の変わり目での「一発DE勝負」を達成できた。

 師範代

 競技では、持ちのいい一発と、広範囲にバラけていくSデザインの相性は悪くない。ただ、バラケの大きさやハリスの長さはその日の釣況によって変えていく必要がある。このセットも有効な手段の1つ。予選会に出場される方々には、自分に合ったスタイルでのびのび釣りをしてもらいたいねぇ~。(敬称略)【構成&写真・寺沢卓】

 ▼宿

 三島湖「ともえ」【電話】0439・38・2544。出舟は11月から6時30分。スタートの合図でチャイムが鳴る。3日の予選募集は50人、要予約。ボート1日3000円、放流バッジ所持者は2500円。宿泊も可能。