<フィシング・ルポ>

 史上初の連覇達成!

 「2014日刊スポーツ・フィッシング・サーキット」湖川ブロック・ヘラブナ部門のグランドチャンピオン(GC)大会が15日、千葉・三島湖で開催された。予選4地区を勝ち抜いた19人と昨年度覇者・片岡哲博さん(54=匝瑳市)の計20人が腕を競った。スタートから30尺(約9メートル)の長ザオで攻めきった片岡さんが唯一2ケタ超えの11・4キロを記録して貫禄の勝利で、GCでは初の2年連続王者に輝いた。

 終始攻めの釣りに撤した。「三ツ沢に入って30尺」と片岡さんは決めていた。仕事の都合で試釣はかなわなかった。2日連続の急激な冷え込みでヘラの動きが鈍っていた。決勝進出者のサオがピクリとも動かない中、片岡さんはペースを崩さずに釣果を重ねていった。

 前半はブラックバスに邪魔されながらも、小さいサイズの放流ベラを釣り上げた。午前10時以降は30センチ超の地ベラを狙い、今大会では最大40・5センチもキャッチできた。

 エサはグルテンとのセット釣り。バラケは大きめで集魚効果を高めて、グルテンは指でしっかりもみ込んで、2つに折って長くハリに残るように刺した。

 ハリスは0・6号で、上が20センチ、下は1メートル。軸のがっちりした、がまかつアラシ7号を上下に使った。ウキ(ボディー17センチ、トップ23センチ)がなじむ前に落ち込む途中での微妙なアタリに神経をとがらせて、次々に合わせていった。「待たなかった。とにかく攻める、攻める、攻める…です」と片岡さんは振り返った。

 昨年は大会当日の午前中に約2・5トンの放流があった。昨年の片岡さんは、その放流ベラの活性を見込んで24尺(約7・2メートル)を握りしめ、動くまで待ち続けて、後半の追い込みで初優勝していた。初戴冠から1年。今回は貫禄の勝利だった。9日に放流された約2トンはなかなか動いてくれなかったが、深場を攻めて引っこ抜いた。地ベラもバラケで寄せて釣りきった。

 それでも片岡さんは飄々(ひょうひょう)とニコリともせずに「いつもの釣りをしたまで」と最後まで笑顔は見せなかった。これで、2年連続のシード獲得となり、予選を免除されて来年のGC大会への出場を勝ち取った。「やれるだけやるだけですね」と片岡さんは静かに3連覇をにおわせた。【寺沢卓】

 ▼宿

 三島湖「ともえ」【電話】0439・38・2544。出舟は午前6時30分、スタートの合図でチャイムが鳴る。ボート1日3000円、放流バッジ所持者は2500円。食事、宿泊も可。