<フィシング・ルポ>

 利根川のハゼを食べよう!

 日を重ねるごとに寒さが厳し~くなってきた。ここにきて、釣果を伸ばしているのが千葉・豊里のハゼ釣りだ。体長15センチ前後が主流で、ときおり20センチ超の大型も釣れちゃう。身はふっくらとして、皮付きのままおろせば、冬にぴったりのしゃぶしゃぶでおいしく食べられる。

 豊里「西谷(にしや)」のハゼ釣りが絶好釣だ。16日に92匹、17日は107匹がトップだった。しかも、ビギナーでも簡単に釣れてしまう。利根川河口から約13キロのぼったエリアで、水深は5~6メートルと、いかにも簡単そうな釣りだ。

 東京・八丁堀の貝焼き専門「祥音(しょうおん)」の名物オヤジ、鈴木聡さんに同行してもらった。築地場内市場でも、ようやくハゼが出荷されるようになったという。鈴木さんは「これがさ、いい値段するんだよ。そのハゼを釣っちまおう、って魂胆がいいよね」と上機嫌だ。

 ちなみに現在、場内市場では宮城・松島のハゼが1キロ5800~6000円の高値で取引されていて、しかも1日の入荷量は2~6キロと少ないという。今後、東京湾、静岡・浜名湖などからも入荷されるが、なんと利根川のハゼは築地には並ばない。

 西谷の西谷博船長は「ここのハゼはきれい。平均だと15センチ。19センチが12~13匹で1キロかな。刺し身でもいけちゃう」と話した。今回は、ニンジン、白菜、長ネギ、豆腐などと一緒に「しゃぶしゃぶ」に挑戦してみようと乗り込んだ。西谷船長は「やったことないなぁ。大丈夫かな?」とやや疑心暗鬼だった。

 午前7時から出船。今年6月から港が新しくなり、乗り降りが楽になった。釣り場は港を出て5分で到着。イカリをおろして、サオを出した。1・5~1・8メートルのサオに道糸はPE3号。小型スピニングリールで、片天ビンにオモリは8~10号。仕掛けはシロギス釣り用の2本バリでハリは流線7~8号でいいだろう。エサはアオイソメを5センチほど垂らす。

 サオは、船の真下を狙う置きザオ1本と、チョイ投げして誘って釣る1本の計2本。ポチャン。投げた仕掛けが1秒ぐらいで着底する。ゆっくり巻いて、止める。動かしてばかりではハゼだって食いついてくれない。2投目でブルルン!

 巻き上げるとギュンギュンと引く。かなりワイルドだ。ちらりと鈴木さんをみると14センチのグッドサイズを釣り上げていた。「これ、面白いね。シロギスより簡単だし、何しろ、引き味がたまらん。おっ、置きザオもきたか」と忙しい。タコボウズも15センチを釣り上げて大満足だ。

 釣り渋ることもなく、約3時間で鈴木さんは32匹。この日は19センチが最大だった。タコボウズは24匹。午後2時まで釣っていれば、50~60匹はいきそう。これならビギナーでも十分楽しめそうだ。

 ▼宿

 豊里「西谷」【電話】0479・33・1612。料金は4人で2万8000円。5人以降は1人4000円追加。乗船人数の目安は8人まで。午前7時から午後2時まで。