<チャレンジ!!

 ヘラブナ道場!!>

 寒さが募る12月。千葉・亀山湖は鮮やかな紅葉シーズンが幕を閉じ、いよいよ巨ベラとの格闘が本格化する。50センチ超のモンスター捕獲を目指し、道場メンバーが12月2、3日の2日間、強風に悩まされながらも大関実コーチがビッグワンを釣り上げた。

 初日(2日)は散々だった。吹きすさぶ風が湖上を駆け抜け、木々を揺らし、赤や黄色に色づいたモミジを散らした。紅葉クルーズ船(7日で終了)の乗客からは「きれいねぇ」「幻想的ねぇ」と感嘆の声がもれたが、サオを持つ方はアタリもなく冷や汗すらかけなかった。

 笹川の実績のあるポイントに入ったが、関川康夫師範代、大関コーチ、門下生の永瀬洋さん、中村豪さん、全員撃沈だった。釣果ゼロ、これが亀山湖の魅力でもある。50センチ超を釣り上げるために1日を費やす。ボウズ(釣果なし)か、大物か。このドキドキ感のとりこになった釣り人が足しげく亀山湖に通うのだ。

 気を取り直して2日目(3日)。風は相変わらず強い。ただ、前日の結果を踏まえて、師範代と永瀬さん、中村さんは、底釣りに徹した。コーチは24尺(約7・2メートル)の宙釣りを選択した。亀山湖の大物釣りに精通している及川健一さん(加須吉沼、羽生吉沼の代表)に同行してもらった。

 コーチが陣取ったのは、前日に実績のあった場所で、40センチ超が釣れていた。サオを出してすぐ及川さんが30センチ級を釣って、魚の回遊ルートであることを実証した。

 コーチ

 大きなヘラの回遊ルートになっているのだろう。釣れる可能性の高い場所には似たようなヘラが回遊してくるはず。

 コーチの読みが当たった!

 正午ごろ、コーチのサオがギューンとしなった。慌てずに取り込むと、ぎょろんとした目がみえた。かなり大きい。計測すると46・8センチ。立派なヘラだ。

 コーチ

 及川さんに聞いたらエサの「練り」が足りないとアドバイスを受けました。「マッシュ」「マッシュダンゴ」がそれぞれ2、「藻べら」「BBフラッシュ」「グルバラ」が1ずつ。これを全部均等に指で混ぜて、水4を含ませて、しばらく置く。水がなじんだら、ダマにならないように練り込む。これでもか、というぐらい、指が痛くなるぐらい、練り込む。これが大事ですね。

 2時間後、やはりコーチが42センチを釣り上げた。どうやら、この日は宙釣りが良かったようだ。

 18尺(約5・4メートル)の底釣りに挑んだ師範代は苦戦していた。

 師範代

 ニゴイにコイ、マブナと外道のオンパレード。本命がこないね。

 残り時間は30分を切っていた。ウキがグラグラと揺れて、勢いよく引き込まれた。合わせた師範代のサオが弓なりになった。31センチ。

 師範代

 残念。もうちょい時間が残っていたらな。最後は魚が集まってきていたね。まあ、こんな日もあります。

 門下生2人はアタリを取るのに四苦八苦。及川さんが残ったエサを確認すると「これじゃダメ。粒があらすぎる。もっと練らないとな」。使ったハリはゴスケ16号。この大きなハリを優しくくるむようなエサが理想となる。練りに練ったエサで亀山湖の巨ベラと遊ばないか。【構成・寺沢卓】

 ▼宿

 亀山湖「ボートハウス松下」【電話】0439・39・2926。午前6時半から。入漁料込みで1人乗船が2900円、2人は4100円、3人は5300円。エレキモーターセット(バッテリー1個)3000円、バッテリーは1000円、スピニングリール付きのレンタルロッドは1000円。帰着は午後4時まで。