<磯FISHING>

 寒グレのハシリが見え始めた南紀・串本町の出雲崎の磯へ良型を狙って7日、釣行した。小川渡船(日刊銀鱗倶楽部加盟店)の船で地方寄りの「地のカンゴメ」へ渡礁。午前中は小グレに泣かされたが、午後2時前にようやく流れ出した上り潮をとらえ、ラスト2投で35センチと38センチを立て続けに食わせた。またこの日、好調の沖磯では「大サバ」に渡った森和也さん(和歌山日高郡)が34~42センチの良型を5匹仕留めていた。

 午前6時すぎ、地方寄りの「地のカンゴメ」に渡礁し、北向きの船着きに入った。ここは右側20メートルほど沖にシモリ根があるのだが、あいにく潮は左へ流れる下り潮。

 足元にコマセを投入すると、水温が19度と高く、トウゴロウイワシなど、エサ取りがまきエに群がる。しっかり磯際にまきエを入れながら、まずは15メートルほど沖にできた潮目を狙ってウキ下4ヒロで仕掛けを投入。潮上にまきエを3、4杯打ち込んで刺しエと同調させ、仕掛けをなじませる。

 そして2投目。ウキが勢いよく海中へ引き込まれたが、軽い手応えで25センチ級の口太グレ。その後タナ、エサ、仕掛けを小まめに変更するも、釣れるのは25~28センチの口太ばかり。こうなれば潮変わりを待って、上り潮に期待するしかない。

 そして、納竿まであと1時間と迫った午後2時前、待望の上り潮が動き始めると約20メートル沖に絶好の潮筋が発生。チャンス到来。北風が強いので、仕掛けをきっちりとなじませるためにBのウキ下にオモリBとハリスにG4を打ってウキ下3ヒロで投入。

 するとこの狙いが見事に的中。刺しエがなじむと同時にウキのトップがスルスルッと海中へ。グーンとした重量感ある引きで35センチの良型をゲット。

 そしてラスト1投、同ポイントに再度仕掛けを投入すると、水面下ギリギリのウキがシュルシュルッと赤い放物線を残して海中に引き込まれた。

 「来たぁ」とサオを立てて勢いよく合わせる。ギューンとした強烈な締め込みをかわして水面に浮かせたのは38センチ。もう少し早く潮が変わっていたらと思いつつも、最後の最後に訪れた、ドラマチックな幕切れに納得しながら、同3時に磯を後にした。

 また、この日の沖磯は、水温が安定していたのか好調で、森さんが「大サバ」で34~42センチの良型を5匹仕留めていた。【日刊FPC・兵頭良弘】

 ◆エサ

 ▽まきエ=生オキアミ6キロに「イワシパワーグレスペシャル」「遠投ふかせスペシャル」「のりグレ」各1袋を入れ、海水を加えてやや固めに仕上げた。▽刺しエ=「くわせオキアミスーパーハード」「くわせオキアミ半ボイル」(各L)に「アミノ酸α」を振り掛け状況に合わせて使用した。

 【今後の見通し】水温が19度と少し高いが、これから1~2度下がって安定してくれば、エサ取りも減り、寒グレの食いもさらに上向き、地方、沖磯とも35~40センチの数釣りが狙える。

 【問い合わせ】小川渡船【電話】0735・62・0743。渡船料は4000円。弁当600円。出船は午前6時すぎ、納竿は午後3時。

 【交通】大阪から車で阪和自動車道南紀田辺ICを出て、国道42号線を南下。串本町に入り、潮岬東入口の信号を右折。約5分で出雲崎漁港。