<ニッカン・つりラボ>

 気がつけば年の瀬、おせち用の<尾頭付き>ゲットはまだ間に合う!

 正月のおせちといえば“おめでタイ”マダイが主役でしょう。各地でマダイが好釣を展開している中、横浜・金沢八景の「太田屋」でコマセ使用のマダイ(コマセダイ)釣り教室が実施され、タイ漁に沸いた。そのカギになったのは、釣れているチャンスを逃さない<タイミング釣法>だ。

 「太田屋」のコマセダイ釣り教室は3人が参加し、今回も乗合船に同乗して行われた。釣り場は、これまでの八景沖(水深25~30メートルライン)から久里浜沖に移り、水深はいくらか深く50メートル前後が中心。釣り方は、通常は船長の指示ダナより下まで落とし込み、コマセを振りだしながらタナに合わせ、置きザオでアタリを待つが…。

 この日は北風で冷え込みがきつく、潮温は16度台だが、前日まで西の強風が吹き荒れたせいか、ウネリがあって船は大揺れ状態。太田一也船長(46)は低めのタナ取りと、エサ取りがいるらしく「コマセはあまり出さないで」と指示する。左舷側に並ぶ教室組に講師の加藤雄二さん(59=日刊釣りペン・クラブ)が個々にアドバイスする中、胴ノ間(中央)で小林義隆さん(43=東京都板橋区)のサオが折れ曲がった。500グラム級のマダイだ。

 下げ潮時でトロトロ流れがあり、魚の食いが立つ確率が高い。この瞬間、タナに付けエサ(オキアミ)があるかどうかが“運命の分かれ道”-。左隣の星達男さん(54=東京都大田区)が同じサイズを取り込み、トモ(船尾)で横瀬克規さん(45=相模原市)は600グラムを釣り上げた。

 これにタイして、ベテラン勢もダイ奮闘!

 右舷ミヨシ(船首)で秋吉優樹さん(62=東京都杉並区)が連続してゲット。隣の梶本忍さん(55=埼玉県新座市)と同胴ノ間で斉藤秀夫さん(65=東京都渋谷区)にもヒットし、トモで教室出身の仁平信昭さん(48=千葉県浦安市)もマダイを手にしてニッコリ。サイズは600~800グラムクラスが多い。

 後半、潮温は17度台に上昇したが、潮流れが上層と下層で違う<二枚潮>になり、糸は右に左に流れ、釣りづらい。海がナギたところで加藤さんはタナをさらに上に取らせた。すると、星さんが連発して3匹…5匹に数をアップ。秋吉さんも同じようにタナを変え、1キロクラスも交えて4匹…6匹と数を伸ばす-。

 秋吉さんは最終的に9匹で船中のサオ頭、斉藤さんが5匹で続き、梶本さんは4匹、仁平さんが3匹をマーク。一方、教室組も星さんが7匹、小林さんと横瀬さんは仲良く3匹を収め、特に横瀬さんは3キロ余りのワラサも掛け、迫力の引き味をたっぷり堪能して上機嫌。今後は潮温の変化や流れ具合がカギを握るが、加藤さんは「状況によって大ダイがヒットする可能性もある」と結ぶ。期タイは大だ。【長瀬川忠信】

 【加藤さんのアドバイス】

 ◆タナ取りは指示ダナより下げない

 コマセは、魚を寄せて集めるだけではなく、上に浮かせて食わせる狙いもある。上で食いつかせるほどヒット率は長く続くが、指示ダナより下の層にタナを合わせると<タナぼけ>になって食い気がムラになり、エサ取りを集めてしまう。指示ダナの上3メートル前後を範囲に、潮流れがきついときは下に取り、エサがなかったら1メートル刻みで上へ移すなど、状態を読んでタイ応することが大切。コマセは<ポロポロ>出るように、あらかじめコマセカゴを調節しておく。

 ◆釣れているときが攻めどき

 魚が食うのは一時的なものだが、アタリがなくてもチャンスは必ず巡ってくる。だから、釣れているときに集中的に攻めるのがキモ。1匹ゲットしたら、すぐに投入ができる態勢が理想。このときにオマツリなどすると、せっかくの好機を逃してしまう。トラブルを少なくするのも大事。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「太田屋」【電話】045・782・4657。マダイの乗合は午前7時20分出船で付けエサ&コマセと氷付き1万500円、女性と小&中学生は5000円。ほかにライトタックル(LT)のアジ釣り午前&午後便と青物のルアー船も出漁中。木曜日定休。HP<http://www.otaya.net/>

 ▼交通

 電車は京浜急行線・金沢八景駅下車。送迎バスあり。車利用も含め詳細は要確認。