<磯FISHING>

 やったぜ初V!

 昨年準優勝の篠原武選手(46=シード)が、念願の初優勝を果たした。「第33回G杯争奪全日本がま磯(グレ)選手権」(主催・株式会社がまかつ)が8、9日に長崎県五島市の福江港沖の磯で、全国10会場の予選を突破した48選手(シード、がまかつ推薦、女性を含む)が参加して行われた。9日の決勝戦は「大小瀬の東」で戦い、篠原選手が総重量3360グラムで、同2000グラムの赤峰雄紀選手(31=米水津2)に競り勝った。3位には城本透選手(29=米水津1)が入った。

 底抜けの笑顔で、喜びを爆発させた。篠原選手は、表彰台でG杯を手にすると、天高く突き上げた。「本当にうれしい、気持ちいいです!」。その表情は、会心の釣りで念願のタイトルを手にした満足感であふれていた。優勝の報告は、いつも迷惑をかけているという妻(良重さん)に伝えたいと表情をほころばせた。

 「大小瀬の東」で行われた決勝戦。赤峰選手との一騎打ちは、右の釣り座に入った篠原選手が開始早々に動いた。両者の境界線のすぐ右で釣り始めたが、潮の動きを見て10分もたたないうちに見切りをつけ、最も右へ移動。そこは潮が緩くなっている個所で、狙い通りに開始20分すぎからグレを連発。リズムをつかむと、釣り座を交代した後半も5匹を加えた。規定内のサイズ(30センチ以上)4匹で総重量3360グラム、同3匹、2000グラムの赤峰選手に快勝した。

 昨年の同大会では、決勝まで駒を進めたものの惜敗。そのときの反省も生かした。「昨年は意固地になってやったところがあったので、そうならないよう意識しました。決勝もウスバ(ハギ)に(糸を)かみ切られたが、落ち着こうと思い、1度座って仕切り直しました」。

 昨年は準優勝したことを素直に喜んだが、周囲は納得してくれなかったという。友人らから「そこまで行ったら(優勝しないと)と言われたので、勝ててよかった」。ていねいな釣りでリベンジを果たし、初Vに胸を張った。【高垣誠】

 ◆篠原武(しのはら・たける)1968年(昭43)3月10日生まれ。愛媛県新居浜市在住。所属クラブはGFG愛媛、探究会。グレ釣り歴は25年。ホームグラウンドは愛媛・武者泊、中泊。自営業。▼大会経過

 8日の予選リーグは48選手が6人ずつ8組に分かれ1試合1時間40分を4試合戦った。グレを釣って勝てば10点などポイント合計で各組1位が決勝トーナメントへ。椛島周辺の磯を舞台に午前7時に試合開始。3組で赤峰選手が前年の覇者で人気バンド「MONGOL800」のドラムス、ボーカル・高里選手を下すなどで勝ち抜け、篠原選手は7組を突破するなど決勝T進出8選手が決まった。

 9日は同7時に4カ所で準々決勝を開始。グレの総重量で勝敗を決める。藤井-吉原戦は総重量で吉原選手に軍配。篠原-猪熊戦は猪熊選手が、大霜-城本戦も大霜選手が共に規定内のグレが釣れず篠原、城本選手が勝利。酒本-赤峰戦は赤峰選手が快勝。準決勝は城本選手に赤峰選手が勝ち、篠原-吉原戦は篠原選手が快勝した。

 決勝は赤峰選手が2度グレをバラし、外道にも苦しむ一方、篠原選手は前半中盤から順調に匹数を伸ばし、後半終盤にも追加し優勝。3位決定戦は城本選手が良型を釣り上げ表彰台をゲットした。