<ニッカン・つりラボ>

 東京湾のスミイカ釣りチャンス到来!?

 潮温の低下とともに深場に移り、釣り方が難しくなっているが、ここにきて、釣況好転の兆しがうかがえる。深場では群れで固まることが多く、その群れに当たれば数釣りの可能性も大。それを裏付けるように、横浜・鶴見の「新明(しんみょう)丸」では時折、トップが10匹超の2ケタ台をマークし、加えて、この時期はサイズがいいのも魅力。好釣のカギはメリハリをつけた<シャクり釣法>だ。

 「新明丸」でスミイカ釣りを担当する新明慶樹船長(34)によれば、今は釣り場の範囲が広く、水深で30メートルから60メートルラインの深場まで攻めているという。この日、入ったのは竹岡沖で、水深は40メートル前後。海は穏やかだったものの、潮回りは長潮前の小潮で潮が効かない“最悪”の条件。それでも、スミイカは乗った。

 テンヤに生きたシャコをセットした仕掛けを投入。釣り方は底着後、底から離さないように糸を張り、数秒待って鋭くシャクる-を繰り返すが、いきなり左舷のトモ(船尾)にいた金子芳男さん(86=東京都大田区)のサオ先にズンッ!

 重量感のある乗りが伝わり、600グラム近い良型のスミイカが躍り上がった。続いて、300グラム余りを取り込んだ。

 同ミヨシ(船首)で船長から釣り方の指導を受けていた阿部悦雄さん(65=千葉県我孫子市)にもきた。こちらも500グラム級でサイズがいい。しかし、潮が動かないせいか、以降はしばし沈黙…。どうシオもないか!?

 そこで、船長は観音崎沖に移動。ここでは多少ながら潮が流れている。果たせるかな、ポツリポツリのペースながら、再び金子さんが連発。最終的に6匹を仕留め、バラシが3回あり、1匹は海面まで持ってきてバレたが、船長いわく「800グラムはあったろう」という大物だ。一方、阿部さんは3匹に加え、30センチ弱のマルイカも釣り上げた。テンヤの上に出したスッテに掛かったもので、このうれしい外道に思わずニッコリ。

 潮温は13度前後で、当分は深場が中心だろうが、固まった群れに当たれば数釣りは十分可能というのが実感だ。ちなみに「新明丸」では、11日トップが10匹、13日は8匹とコンスタントに好釣果をみている。今後は春になると産卵に備え、浅場へ戻ってくる-いわゆる<乗っ込み期>を控えており、スミイカのシーズンはまだまだ続く。【長瀬川忠信】

 【新明慶樹船長のアドバイス】

 ◆シャクりが決め手

 スミイカは、底付近にいるので、仕掛けが底に届いたらテンヤは底に着いていることが<鉄則>。離さず道糸を張るようにして待ち、5秒に1回のペースを目安にシャープ(鋭く)にシャクる。シャクった後、糸を張った状態でサオを倒す感じにスローにスーと下ろす。テンヤがゆっくり落下することでイカへのアピールになり、底に着くと同時に飛びついてくることが多い。キャストして広範囲に探るパターンもあるが、イカが飛びつく時間をつくってやるのがポイントで、5秒待ってダメなら次は7~10秒と長くしてみる。待つときにテンヤを底に着けたままオモリで底を小さく小突くイメージで誘うのも方法。

 ◆しっかり合わせる

 イカは大抵がシャクったときに乗る。ズンッ!

 という感触があったら強く合わせる。ただし、シャクったときにサオを頭上まで上げてしまうと糸がたるみ、合わせが利かずバレることが多い。サオは胴が強い先調子で、待つときは時計でいう<9時の角度>、シャクりは<11時の角度まで>が理想。

 ▼船

 日刊スポーツ新聞社指定「新明丸」【電話】045・501・2081。スミイカの乗合は午前7時30分出船、生きシャコエサ付き9500円。ほかに週末限定でフグ船も出漁。詳細は要確認。毎週木曜日定休。HP<http://www.shinmyoumaru.com/>

 ▼交通

 電車はJRの鶴見駅か京浜急行線の京急鶴見駅から徒歩5分ぐらい。車利用の場合は詳細要確認。