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阿曽山大噴火コラム「裁判Showに行こう」
号泣ドリカム元メンバー、甘えてる?
ちょいと宣伝。5月9日火曜日、下北沢の北沢タウンホールにて「お笑い 裁判の歩き方VOL・2」があります。18時30分開場、19時開演。当日料金3000円です。まだ何を話すか決まってないんだけど、裁判の話とか、裁判の話とか、裁判の話とか…。来月は大阪、名古屋にも行くので、お近くの方はそちらもよろしく。
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| 02年12月、前回の覚せい剤取締法違反で判決を受け東京地裁を出た西川隆宏被告 | |
今回の傍聴記は、4月27日に行われた西川隆宏被告人の初公判。罪名は覚せい剤取締法違反。
被告人は、ドリームズ・カム・トゥルーのメンバーだった人で、過去に覚せい剤所持で執行猶予付きの判決を受けています。というわけで、今回が2度目の逮捕なんだけど、いつまで「元ドリカム」って肩書きがついてまわるんだろうか? 現在のメンバーもいい迷惑だと思うんだけどね。
検察官の冒頭陳述。被告人の身上経歴、事件の詳細が語られるのです。
被告人は、逮捕当時、地元北海道で調理師免許を取得し、レストランで働いて、クラブでDJをやっていた。
検察官 「ちなみに、DJ、ディスクジョッキーを簡単に説明しますと、レコードなどを選曲し、かける仕事で才能次第で上り詰められる職業であります」
と、どうでもいい説明を付け加えていました。冒頭陳述に描いてあるとは思えないんだけど。検察官のアドリブか?
検察官 「被告人は上京し、役者のオーディションを受けるなどしていましたが、24歳の時、音楽グループに入り、吉田美和、もう1人と一緒にグループを結成。キーボードを担当していました」
“もう1人”って。作曲したり、メーンの人じゃないのか。本件と関係ないからいいんだけど、中村正人さんを“もう1人”って扱いはひどいね。どうせなら“肥後克広に似た、もう1人”と言ってほしかった。
で、事件の話。被告人はDJの仕事で、車で東京へ。友人が勤めている渋谷のクラブへ行き、外国人から覚せい剤を購入。新宿のホテルで覚せい剤を使用する。その後、車を路上駐車して友人に電話していたところ警察官がやってきて、荷物検査を受ける。すると、ダッシュボードの上に覚せい剤が入っており、逮捕されたと。
前科もあるのに、覚せい剤購入&使用って時点で話にならないんだけど、覚せい剤をダッシュボードの上に置いてるって、大胆だよなぁ。
ここまで無表情で前を向いていた被告人も、情状証人として父親が出廷すると、うつむいて号泣。さらに、弟が出廷すると大号泣。着ているスーツに涙をこぼして泣きっぱなしです。
そんな涙が止まらない被告人に対して、弁護人からの質問です。
弁護人 「前刑の執行猶予判決後、覚せい剤は使ってましたか?」
被告人 「北海道で2年間仕事をしてました。それで東京に仕事で行くことがあって、何度か誘われたんですが『自分はしちゃいけないんだ』と思っていたので、やってませんでした」
弁護人 「じゃ、なぜ今回は買ってしまったんですか?」
被告人 「寝てなくて疲れていたので、ついつい買ってしまいました…」
弁護人 「ということは、薬物に依存しているんじゃないんですか?」
被告人 「幻覚も幻聴も禁断症状もないので大丈夫だと思っていましたけど、また買ってしまうということは、そういうのが自分の中にあるとわかりました…」
弁護人 「今後、社会復帰した際はどうしたいですか?」
被告人 「薬物撲滅の運動に参加したいです」
DARC(ダルク)という薬物依存症の回復に努める団体に加わりたいとのことです。
弁護人 「以前、音楽活動をしていた公の人のあなたと、一般の人が薬物撲滅の運動するのは何か違いがありますか?」
被告人 「影響力はあると思います」
たぶん、DARCに連絡とってないんじゃなかな。有名人も一般人も同じような扱いする団体って聞いたことがあるんだけど。
弁護人 「あと、警察官に何か言われましたか?」
被告人 「2度目の逮捕なのに警察官に『頑張るように、頑張るように』と言われて嬉しく思いました」
弁護人 「なぜそんなこと言われたんでしょう?」
被告人 「以前、音楽活動していたからだと思います」
この人の中には「元ドリカム」って誇り、プライドがあるんだろうけど、法廷でそういうこと言って情状にするって、なにか甘えてるよな。
涙を流し、洟をすすりながら、返答していた被告人に、
弁護人 「あと、姉さんからFAXが届いています」
と、応援メッセージを見せると、大号泣。こんなに泣く被告人も珍しいです。
次は検察官からの質問。第一声が、
検察官 「そんな、メソメソ泣くな!」
被告人 「すみません…」
質問の前に一喝。厳しい検察官です。
検察官 「弁護人の質問で、“何度か誘われた”って答えてたけど、どこですか?」
被告人 「東京に仕事できたクラブで…」
検察官 「そういう人と関係絶つしかないんじゃないの?」
被告人 「はい」
検察官 「あと、警察官が頑張れって言ってくれたのを、音楽活動やってたからって答えてたけど、本当にそう思う?」
被告人 「…」
そんな考えを持っている被告人に、検察官も違和感を感じてたんでしょう。さらにたたみ掛けるかと思いきや、
検察官 「私…個人的にファンなんですよ! みんな、あなたを好きだから言ってるんじゃない、立ち直らせるために言ってるんですよ! わかる? ファンをがっかりさせるな! あったま、きます」
と、ドリカムファンをカミングアウトしつつ、大激怒。弁護人が「ファンだけど」って言うならわかるけど、検察官こういうこと言うってどうなのよ。前回初犯の裁判では、検察官が「あなたの未来予想図はかないましたか?」って質問したらしいし。検察官が裁判をエンターテイメント化しなくてもいいと思うんだけどね。
最後にドリカムファンの検察官が、懲役2年を求刑して閉廷。
薬物って再犯率高いんだよね。あとは本人の意志。これ以上、ファンをがっかりさせるようなことがないことを願うのみです。ま、ファンをがっかりさせないために薬物に手を出さないってのも、ちょっと話のピントがずれてるんだけどね。
阿曽山大噴火(あそざん・だいふんか)
本名:阿曽道昭。1974年9月12日生まれ、山形県出身。大川豊興業所属。趣味は、裁判傍聴、新興宗教一般。チャームポイントはひげ、スカート。裁判ウオッチャーとして数多くの裁判を傍聴。 月刊誌「創」に裁判傍聴日記の「アホバカ裁判傍聴記」を連載している。主な著書に「裁判大噴火」(河出書房)。
パチスロはすでにプロの域に達している。また、ファッションにも独自のポリシーを持ち、“男のスカート”にこだわっている。定住する家を持たない自由人。パチスロと裁判傍聴で埋めきれない時間をアルバイトで費やす日々。
