野党再編をめぐり、答えを出さなければならない渦中にある、民主党の岡田克也代表(62)。党と同じく?昨年末から、「改造計画」が進行してきた。

 「原理主義者」「堅物」…。何かと「カタイ」とイメージで語られることが多い岡田氏を、まずは少しでも「やわらかい」印象へと、変えようと、党内の女性議員の発案で始まったものだ。

 党役員の活動をサポートする役員室長に昨年末、辻元清美衆院議員が就任。岡田氏の担当になった辻元氏の「初仕事」が、改造計画着手だった。

 昨年末、岡田氏は辻元氏に伴われ、政治風刺コント集団「ザ・ニュースペーパー」の公演を観劇するため、東京・博品館劇場を訪れた。さまざまな政治家に扮(ふん)したメンバーによる、シュールなセリフがおなじみだが、政治家人生26年になる岡田氏にとって、初の「生・ニュースペーパー」。しかし、公演では、福本ヒデが演じる安倍晋三首相が、話題の中心。野党党首も共産党や社民党の出番の方が多く、岡田氏の登場機会は、ほんのわずかだった。

 野党第1党として、なかなか支持率が上がらない、党の「現実」を直視する機会に。それでも岡田氏は観劇後、「ニューヨークで(ミュージカルの)『フォーティーセカンド・ストリート』を見て以来の感動でした」と笑顔で話し、演者との記念撮影にも、にこやかに応じた。辻元氏も「岡田さんが笑ってくれたのが、うれしい」と話していた。

 先月4日、党の仕事始めには、岡田氏は昨年末より明らかに短くなった髪形で現れた。こちらは、蓮舫代表代行の「指示」で、髪を短く切り込んでいた。

 事前に、蓮舫氏が岡田氏の担当美容師に、短くするように「極秘指令」を出していたのだという。岡田氏は散髪中、眼鏡を外しており、「大変身」に気づいたのは、散髪後だった。

 「私の了解なく(短髪を美容師に指示)するというのは、(蓮舫氏との)力関係を示しているような気もする」と苦笑いしたが、「皆さんの意見には基本的に従いたい」と、聞く耳を持つ姿もアピールした。

 この散髪には、「後日談」があった。岡田氏は、髪質も、硬い?ようだ。短く切ったことで、散髪の直後には、髪がはねることもあったという。そこで、岡田氏に同行することが多い辻元氏は、自分のバッグに男性用のヘアムースを常時しのばせ、必要に応じて髪形を直す役目も担った。ムースではうまく直らないこともあり、効果が強力なハードタイプのジェルも、持ち歩くようになったそうだ。

 党の新しいポスターでは、眼鏡を外した笑顔の写真が採用されたが、党内だけでなく、岡田氏自身にも戸惑いがあるようだ。先月末の党大会では、岡田氏自身が、わざわざ「本物はもっといいのではないかと思う」と言及していた。

 「改造計画」は今もまだ、試行錯誤のまま進んでいるように見える。野党再編をめぐっても、新党をつくるのか、合流するのか、水面下の動きはあるものの、見通しは立っていない。党の立ち位置に、代表のイメージチェンジ。「改造計画」から「計画」が取れた姿を目にする時期は、来るのだろうか。