昨年末に賭けマージャン問題が発覚した福岡県飯塚市の斉藤守史(もりちか)市長、田中秀哲(ひであき)副市長が11日、市政を混乱させた責任を取り、31日付で辞職すると発表した。記者会見で斉藤市長は「すべて私の不徳の致すところ」と謝罪した。斉藤市長は会見に先立ち、自身の辞職願を市議会議長に提出。問題発覚後「賭けないマージャンをする人がいるのか」などと開き直りとも取れる発言が事態を悪化させ、自らを辞任に追い込んだ。

 突然の辞意表明だった。「これ以上、市政を停滞させるわけにはいかず、1日も早く、この事態を収拾したい」。強気な発言で批判を浴びた12月の釈明会見とは一転、この日の斉藤市長は終始伏し目がちで、表情は硬かった。

 昨年末、平日の日中に市庁舎を離れ、斉藤市長、田中副市長が市内の業者らと賭けマージャンをしていたことが発覚。12月22日の定例市議会では陳謝したが、直後の記者会見で自ら火に油を注いだ。市長に就任した約10年前から賭けマージャンを始め、賭け金は1日1万円ほどと説明。さらに「賭けないでやる人が何パーセントいるのか逆に聞きたい」「(賭けが問題なら)マージャン人口が減ってしまう」など、開き直りとも取れる発言が次々と飛び出した。

 この発言に市民の怒りが爆発。市には辞職を求める電話やメールが殺到し、11日までに1000件を超えた。後日「賭け事は1円たりともしてはいけない」と発言の一部を撤回したものの、後の祭りだった。

 市の仕事始めとなった今月4日には、市議3人を含む市民約70人が、市役所前の駐車場で抗議集会。「即刻辞めろ」「恥ずかしい」と怒号が飛び交い、一時は職員ともみ合いも起きた。8日に行われた市主催の成人式も、斉藤市長は「混乱を避けるため」として就任以来、初めて欠席せざるを得なかった。

 会見では「このままとどまれば市の負のイメージが増し、市民と築いたものが水泡に帰す。これだけは避けたいと決意した」と苦渋の決断を強調。だが、辞職を聞いた市民からは「すぐに辞めるべきだった」「地元の恥さらしとしか言いようがない」と厳しい言葉が相次いだ。

 今回の騒動で全国から注目の的となった同市では、公選法に基づき3月2日までに市長選が行われる。「賭けマージャン」の代償は、あまりに大きかった。

<賭けマージャン経過>

 ▼06年4月23日 斉藤守史氏が福岡県飯塚市長に就任。

 ▼10年5月17日 田中秀哲氏が副市長に就任。

 ▼16年1月14日 斉藤市長と田中副市長が、市内で平日の日中に賭けマージャン。

 ▼12月22日 2人が賭けマージャンを繰り返していたことが発覚。記者会見し謝罪する一方、斉藤市長は賭けマージャンを容認するような発言も。

 ▼12月26日 斉藤市長が賭けマージャンを容認するような発言を撤回。

 ▼17年1月4日 市民ら数十人が市役所を抗議に訪れ、職員ともみ合う。

 ▼1月8日 斉藤市長が市主催の成人式を欠席。

 ▼1月11日 2人が31日付での辞職の意向を表明。