大阪府豊中市の国有地(8770平方メートル)が大阪市の学校法人「森友学園」に格安で売却され、疑問の声が出ています。

 Q 売却の経緯は。

 A 土地は、上空が大阪空港への飛行ルートに当たり、国土交通省大阪航空局が騒音対策のため保有していました。学園側が小学校用地として取得を希望し、財務省近畿財務局が交渉に当たりましたが、学園側はまとまった資金を用意できないとして、期間中に購入する前提で2015年5月、10年間の定期借地契約を締結し、校舎建設工事が始まりました。

 Q 「格安」とは。

 A その後、用地の地中からごみが見つかり、大阪航空局は撤去費用を8億円余りと見積もりました。不動産鑑定士の更地の評価額は9億5600万円でしたが、16年6月、近畿財務局は撤去費用などを差し引いた1億3400万円で売却しました。豊中市が10年に公園用地として購入した近くの同規模の国有地9492平方メートルは、14億2300万円でした。

 Q 国は情報を公開していたのでしょうか。

 A 今回と同じ国有財産の随意契約の運用について、財務省は12年11月の通達で、原則として金額や用途などを契約後1カ月以内にウェブサイトで公表すると定めています。森友学園のケースでは、学園の意向として今月まで売却額を非開示とし、豊中市議が今月、非開示決定の取り消しを求めて提訴した後、野党の追及が強まったため開示に転じました。

 Q ごみの撤去に8億円もかかるでしょうか。

 A 撤去工事の実態については疑問の声が多く、民進党などが国会で追及しています。国側は見積もり段階で想定した深さまで本当にごみがあったのか「確認していない」と答弁しました。

 Q 国会では教育機関としての学園の問題も取り上げられています。

 A 学園は4月の小学校開校を計画しており、安倍晋三首相の昭恵夫人が名誉校長を務めていましたが、辞任しました。「安倍晋三記念小学校」という触れ込みで寄付を募っていたこともあり、格安での売却の背景に政治的な圧力があったのではないかと尋ねる議員もいました。首相は自身や夫人、事務所が小学校の認可や国有地払い下げに関わっていれば「首相も国会議員も辞める」と明言しています。

 学園が運営する幼稚園が保護者に「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」などと記載した文書を配布していたことも分かり、小学校の教育内容を不安視する声も上がっています。(共同)