稲田朋美防衛相が04年12月、籠池泰典氏が理事を務めた大阪市の学校法人「森友学園」が起こした民事訴訟の第1回口頭弁論に、原告側の代理人弁護士として出廷したことを示す裁判所作成記録があることが13日、関係者への取材で分かった。稲田氏は同日の参院予算委員会で、籠池氏の訴訟を担当したことはないと完全否定していた。籠池氏は動画を公開し、稲田氏と夫に顧問弁護士を依頼したと証言。籠池氏との関わりを否定し続ける稲田氏は、苦しい立場に追い込まれた。

 稲田氏の名前が確認されたのは、森友学園が04年10月18日、大阪地裁に提訴した同市淀川区の土地と建物の抵当権抹消登記請求訴訟に関する文書。

 訴状の「原告訴訟代理人」に、稲田氏と夫の龍示氏、もう1人の計3人が記されていた。また、大阪地裁が作成した第1回口頭弁論調書には同年12月9日の初弁論に、龍示氏を除く稲田氏ら2人の名前が、「出頭した当事者等」に記載されていた。

 稲田氏は85年に弁護士登録。夫妻で大阪市の法律事務所に所属し、05年8月の衆院選に初当選して政界入りした。文書の作成時期は議員になる前だが、当時から学園と関係があった可能性が浮上した形だ。

 ただ、稲田氏は13日の参院予算委員会で、学園や、籠池氏との関係を完全否定していた。

 民進党の小川敏夫議員が、05年10月11日付で作成された、森友学園関連の民事裁判の準備書面に、稲田氏と龍示氏が連名で「訴訟代理人」と示されていると指摘。「森友の訴訟で、訴訟代理人になったことはないのか」とただした。

 稲田氏は「確認しておらず、確認したい」とした上で、「籠池氏から法律相談を受けたことも、籠池夫妻が私に相談したこともない」と強調。国会議員に当選した後の書類であることを念頭に、気色ばんだ様子で「(日付は)平成17年ですよ!」と主張した。「共同事務所の場合、連名で(書面を)出す場合はあり、委任状に私の名前があることは推測される」と釈明し、「裁判にも行ったことはない」と明言していた。籠池氏との関係についても「面識はあるが、10年前から関係は断っている」と強調。一方、籠池氏はネット上の動画で、稲田夫妻が顧問弁護士となり法律相談したことや、稲田氏に「2、3年前に自民党会館で会った」と述べている。

 稲田氏は、籠池氏が主張した顧問弁護士就任や法律相談に関して、「全くの虚偽だ」と断言。小川氏は「明らかに食い違っている」として、籠池氏の国会への参考人招致を求めた。

 裁判所の記録は公的な文書。稲田氏は予算委での発言との整合性が問われる。籠池氏と距離を置くあまり、追い込まれる可能性も出てきた。