妻以外の女性との不倫交際トラブルが「週刊新潮」に報じられた自民党の中川俊直衆院議員(46)が20日、四面楚歌(そか)に追い詰められた。「重婚写真」「ストーカー登録」など内容のひどさから、議員の資質を問う声が拡大。党内に中川氏をかばう空気はなく、野党は「議員以前に人としておかしい」と切り捨てた。中川氏は一部報道内容を否定したが、信頼回復には程遠い。離党か、それとも議員辞職か。身の処し方が今後の焦点になる。

 中川氏の不倫問題は、早くも国会審議に波及した。20日、野党が中川氏の出席を求めた参院経済産業委員会は、中川氏が出席しなかったため、審議が取りやめに。中川氏は18日に政務官を辞任したが、委員会では中川氏が政務官として担当した法案の審議も含まれる。民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は「就任の際は委員会であいさつしたのに、急に辞めて何も説明しないのは問題だ」と、その無責任さに言及した。

 一方、同党の蓮舫代表は、「重婚」「ストーカー登録」という報道内容について、会見で「国会議員以前に、人としておかしいと率直に言わざるを得ない」と言い切った。「多くの女性だけでなく、心を持っている人なら、この人が国会議員として国民を代弁できる立場にあるとは思えないのではないか」と指摘。議員失格との認識を示した。

 野党に言われるまでもなく、安倍政権、自民党にも中川氏をかばう空気はない。度重なる閣僚の失言でも、野党の辞任要求を突っぱねてきた菅義偉官房長官も、中川氏の議員辞職論については「そうしたことを含め、ご自身で判断される問題。政治家の責任として説明するべきだ」と、突き放した。自民党の二階俊博幹事長も安倍晋三首相と会談後、「本人が判断することだ。しばらく様子をみたい」と、中川氏の自発的判断を見極める意向を示した。

 与党内では「最低でも、離党は避けられないのではないか」(党関係者)とする声もあるが、自民党では昨年、妻の妊娠中の「ゲス不倫」が発覚した宮崎謙介氏が議員辞職している。「中川氏の報道内容は、宮崎氏の比ではない」(別の関係者)との指摘もあり、議員辞職は避けられないとの見方も拡大。7月に東京都議選を控え、女性問題に敏感な時期でもあるからだ。

 中川氏は、父の中川秀直元官房長官の地盤を継いだ2世議員。今年10月の衆院補選を見据え、早期辞職を促す声もあるが、「人としておかしい」と断じられた「資質」が、再び有権者に受け入れられるとは限らない。中川氏の事務所によると、現時点で会見の予定はないという。きょう21日は衆院本会議が予定される。中川氏は国会に来て、説明する機会を持つのか。

 ◆自民若手議員の最近のスキャンダル対応 週刊誌に金銭トラブルなどを報じられた武藤貴也衆院議員は15年8月、自民党を離党し、現在も無所属だ。昨年2月、妻(金子恵美衆院議員)の妊娠中の不倫が週刊誌に報じられた宮崎謙介氏は、議員辞職。宮崎氏の地元だった衆院京都3区の補選に、自民党は候補を擁立できず、不戦敗で議席を失った。また、東日本大震災の被災地視察で長靴を忘れておんぶしてもらい、その後の会合で「長靴業界はだいぶもうかった」などと発言した務台俊介衆院議員は先月、復興担当の内閣府政務官を事実上更迭された。