犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案は19日の衆院法務委員会で与党側が採決を強行し、自民党、公明党や日本維新の会の賛成多数で可決された。与党側は23日の衆院通過を目指す。民進、共産、自由、社民の野党4党は可決が強行されたことに反発し、衆院本会議での採決阻止に向けて連携を強化することを確認した。国会周辺では多数の市民が集まり、抗議の声を上げた。

 4党の幹部は19日、可決は容認できないとして、法案を法務委に差し戻し審議をやり直すよう大島理森衆院議長に要求。本会議に法案を上程しないよう申し入れた。大島氏は「衆院議院運営委員会の場で議論してほしい」と述べた。

 要請後、民進党の山井和則国対委員長は記者団に「監視社会をつくるかもしれない。こういう形の採決は断じて許せない」と強調した。

 与党は、23日に衆院を通過させ24日の参院審議入りを図るが、審議日程が想定より遅れているため、成立を見据え6月18日に会期末を迎える国会会期の延長を視野に入れる。

 可決後、金田勝年法相は、国会内で記者団に「議論に平行線の部分はあろうかと思うが引き続き説明していきたい」と話した。菅義偉官房長官は記者会見で「野党にも幅広く支持をいただけるよう、丁寧な説明を尽くした」と述べた。

 国会周辺には多くが詰めかけ、気勢を上げたり「共謀罪NO」のプラカードを掲げて座り込みをしたりして抗議を続けた。東京都武蔵野市の女性団体職員(40)は「数で押し切る安倍政権は許せない。グレーゾーンが多い法案で、捜査機関に都合よく判断されかねない」と訴えた。(共同)