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タイタニック号沈没の謎解明か

 1912年に約1500人が犠牲となり、史上最悪の海難事故の1つとされる英国の豪華客船タイタニック号沈没事故。米国の科学者2人が今春、船が氷山に衝突後、急速に沈没したのは、建造を急いだ造船会社が十分な強度を持つリベット(びょう)を使用しなかったのが原因との新説を発表、米英両国で話題になっている。

 当時、世界最大で「不沈船」とも宣伝された大型客船がわずか3時間弱で沈没した理由はいまだに謎。専門家は新説について「長年の議論にけりをつける決定的なもの」(タイタニック歴史協会)と評価している。

 新著「タイタニックを実際に沈めたのは何か」を出版したのは、米国立標準技術研究所のティム・フェイキ氏と、金属工学者ジェニファー・マッカーティ氏。

 リベットは船体外側の金属板をつなぎ合わせる際などに用いられるが、2人はタイタニックの残骸(ざんがい)から回収されたリベットの中に、頭部がつぶれたものがあることに着目、科学的に分析した。

 その結果、船体中央部に用いられたリベットは十分な強度を持つ鋼鉄製だったが、氷山との衝突で裂け目ができた船首や船尾のリベットは強度が不十分な鉄製だったことが判明。2人はタイタニック号を建造した「ハーランド・アンド・ウルフ」(本社・英ベルファスト)に残る資料を徹底的に調査した。

 同社は当時、大西洋航路の独占を狙い、タイタニック号とほぼ同時期に同型船「オリンピック号」「ブリタニック号」の2隻を建造したが、リベットは1隻に約3万本が必要で大幅に不足。そのため同社は専門メーカー以外に、技術的に劣る町工場にもリベット製造を発注したことや、原料も当時最高品質とされたものよりワンランク下の鉄材を指定していたことが分かった。

 リベットを打ち込む技術者も足りず、同社の役員会では毎回議題に。事故約半年前の11年10月の役員会では、会長自らが懸念を表明、早急な対策の必要性について発言していた。

 同社は新説について、オリンピック号は引退まで20年以上、無事故で運航されており、リベットには問題がなかった証拠と反論している。

 しかし、フェイキ氏は「科学的な方法論に基づき、あらゆる選択肢を検討した。検証を繰り返して得られた結論で自信を持っている」と話している。

 [2008年5月15日9時24分]


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