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八王子通り魔「親が話聞いてくれない」

 東京都八王子市の京王八王子駅ビル内の書店でアルバイト店員の中大4年斉木愛さん(22)が刺殺された事件で、殺人未遂容疑で逮捕された自称会社員菅野昭一容疑者(33)の父親(69)が23日、八王子市の自宅で、被害者に謝罪した。調べに対し、同容疑者は動機について、仕事をめぐる相談に家族が乗ってくれなかったなどと話している。一方の父親は最近は同居していなかったなどとし、動機についてまったく思い当たらない様子で話した。

 疲れた表情で報道陣の前に現れた父親は「被害者に対し申し訳ないことをした」と謝罪。菅野容疑者とは数年前から事実上の別居状態にあったといい「気が小さくて事件を起こすような人間じゃない」「どうしてこうなったか、問いただしたい」などと困惑した様子で話した。

 事件は22日午後9時40分ごろ、京王八王子駅の駅ビル9階にある啓文堂書店京王八王子店で発生。菅野容疑者は店の入り口付近で斉木さんの左胸を正面から一突きし、近くにいた客の原田夏希さん(21)の胸や腕など3カ所に切り付けた。斉木さんはその後、死亡した。

 菅野容疑者は調べに対し、「親が話を聞いてくれないから大きな事件でも起こせば自分の名前もマスコミに出ると思ってやった」などと供述している。また「仕事がうまくいかず、両親に相談したが、乗ってくれず、むしゃくしゃしてやった。無差別に人を殺そうと決意し文化包丁を買って書店に行った。誰でもよかった」などと話している。

 しかし、父親は「SOSはなかった」「コミュニケーションを取ろうにも、家にはいなかった」と会話自体が少なかったと説明する。同容疑者は5年ほど前には交際女性と同居していたというが「住所を教えてくれなかった。(その後)別れたと知り、理由を聞いても『それはこっちの話』と言われた」。最近では1週間前に荷物を取りに来て、すぐにいなくなったという。相談などはない一方、「月末に5000円ほど足りないというから貸したり、息子に貸している自分名義の携帯電話の料金を時々肩代わりしたが、返してもらっていた」と話している。

 菅野容疑者は父母と姉3人弟1人の7人家族。すでに姉3人は家を出ている。近隣住民らによると、同容疑者が幼少時は7人暮らしで、母親が近隣に食料を分けてもらうなど、生活は苦しい様子だったという。学校は休みがちで高校は中退。その後はアルバイトを転々としていた。

 同容疑者は今年4月に、現在の勤務先の八王子市内の金属加工会社に応募。5月8日から試用期間として勤務したが、同15日に機械に指を挟み右手の指3本を骨折。入院し、休んでいた。退院後の今月上旬、同容疑者が会社に「8月末から働ける」と話すと、会社側は「あせらなくていい」「いつでも戻ってきて」などと話したという。

 [2008年7月24日7時58分 紙面から]


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