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あわや遭遇のやくさん“タイ”変だった

 タイ経由でネパール旅行に出掛けた漫画家やくみつる氏(49)が、反政府市民団体によるバンコク国際空港占拠の影響を受け、帰国便を急きょ変更する騒動に見舞われた。経由地を香港に変更して11月30日に無事帰国したが、一時は「なるようにしかならない」とあきらめかけたという。バンコクではこの日未明、反政府市民団体に向けて手りゅう弾が投げ込まれ、49人が負傷。空港占拠に反発する政府支持派の犯行とみられており、混乱がさらに広がる恐れが出てきた。

 「何とか帰ることができて、ほっとしています」。30日午後に帰国したやく氏は、騒動の余波であわただしくなったネパール旅行を振り返った。

 やく氏が妻を伴って日本を離れたのは11月24日。バンコクで1泊後、翌25日午前、バンコク国際空港発の飛行機でネパールの首都カトマンズに入った。現政権の退陣を求める反政府市民団体「民主市民連合」のデモ隊による空港封鎖が始まったのは、やく氏がネパールに到着してから間もない25日夜だった。同日深夜、宿泊先のホテルで見たNHKニュースで空港封鎖を知った。自分たちが利用した時は「騒動の気配はまったくなかった」という。妻と「さっきまでいた空港でしょ? 本当かよ」と疑うほど驚いた。

 間一髪で騒動に巻き込まれることなくネパール入りしたが、帰国便もバンコク経由だった。「報道を見ている限り無理だと思った。妻はかなりあわてていました」。仕事の都合で30日までに帰国する予定は変更できない。それでも一時は「なるようにしかならない」とあきらめかけたという。旅行会社の素早い対応で、カトマンズ滞在中にシンガポール、デリーなどバンコク以外を経由する帰国便を探し始め、もっとも早く帰国できる香港を選んだ。29日午前にカトマンズを出発して香港に泊まり、翌30日午後、成田空港に着いた。

 空港封鎖によって、29日までに足止めされた日本人は1万人に上る。30日未明には市民連合が占拠する首相府で手りゅう弾が爆発。数人の重体を含む49人が負傷する事件が起き、騒動は続いている。やく氏は「温厚な印象が強いタイの人たちがあれほど怒っているわけですから、相当のことでしょうが、関係ない旅行者を巻き込むのはやめてほしい」。それでも「あの空港の25日の出国スタンプは貴重なもの。不謹慎かもしれませんが、ラッキーでした」。旅行は、クイズ番組の賞品だったハワイ旅行の行き先を変更したもの。帰国便変更で予定より40万円多く出費してしまったという。

 [2008年12月1日8時31分 紙面から]


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