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党首討論で福田首相が涙目で抗議

 福田康夫首相(71)が9日、民主党小沢一郎代表(65)との党首討論で、不同意を連発された日銀総裁人事について、涙目になりながら抗議した。「かわいそうなくらい苦労している」「翻弄(ほんろう)されましたよ」。冷静さを欠き、恨み節連発で、不同意の理由を逆質問する異例の展開。「僕があんまり答えるのも変だな」と余裕の小沢氏。どっちが首相なのか分からない、福田首相の置かれた苦しい立場を象徴するやりとりだった。

 「フフン」とクールに受け答えする福田首相が、感情を全開にした。主に道路特定財源の質問を受けた後、飛び出した言葉は「国会で大変苦労しています」という楽天野村克也監督もビックリのぼやき。「質問には十分お答えしますが、1つお尋ねしたい。日銀総裁の問題ですが…ベストの選択ということでお願いしたのに」と恨み節を述べた。

 党首討論は、野党が首相に質問するのが通例。しかも小沢氏の質問に日銀総裁人事の項目はなし。異例の逆質問をしてまで、不同意連発の真意を探ろうとしたが、つれない小沢氏に「え、日銀もですか。ふふふ」と失笑された。

 福田節はそこから、愚痴、恨み節のオンパレード。「かつて官僚だった人がポストに就くのがそんなに悪いことか。適材適所と思った人が不同意の理由を説明願いたい」と迫ったかと思えば、「誰と話せば信用できるのか教えてほしい。かわいそうなくらい苦労しているんですよ。翻弄(ほんろう)されました」と涙目に。直後に「(不同意は)権力の乱用、人事権の乱用」「いつも大事なことの結論が遅い」と逆ギレ。感情の起伏が激しく乱れていた。

 小沢氏には「クエスチョンタイム(党首討論)は、野党党首が質問して総理が答えると思ったが、お聞きされたので答えます」「僕があまり答えるのも変ですが」と皮肉られた。それでも「日銀の話」とこだわり、野党から「すっかり野党気分!」とやじられた。

 2人は昨年秋、大連立で合意寸前まで行きながら、小沢氏が対決路線にかじを切り、ホットラインは途切れたとされる。「10月冒頭、会って話しましたよね。一緒になってやらないと(国会運営は)できないという考えであの会談がセットされた。あの考えは今でも忘れてもらっては困るんです。あの会談以来、なかなかうまく話せる機会がなく非常に残念です」。大連立の協議まで持ち出して蜜月時代を懐かしむ首相。それを見つめる与党席には、しらけた空気が漂っていた。

 [2008年4月10日9時10分 紙面から]


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